足し前[語句情報] » 足し前

「足し前〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

足し前の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
坑夫」より 著者:夏目漱石
っぱかりしか持っていないのかと長蔵さんが驚くに違ない。どうも気の毒である。いくら足し前をするんだろうなどと入らざる事を苦《く》に病《や》んでいると、やがて長蔵さ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
奇才もないではないが、何をいうにも小藩の、小禄の家に生れたものだから、その生活の足し前として絵画を習い出したので、もとより好きな道でもあるが……この点は、三州の....
孔乙己」より 著者:井上紅梅
も差支えなければ、筍の塩漬や茴香豆の皿盛を取ることが出来る。もし果して十何文かを足し前すれば、葷さの方の皿盛りが取れるんだが、こういうお客様は大抵|袢天著の方だ....
神楽坂」より 著者:矢田津世子
仕事をひきうけている。そのうちの二三枚を馬淵の内儀さんが分けてもらって小遣い銭の足し前にしていた。若い頃、賃仕事に追われがちだった内儀さんの指さきが今もその仕来....
痀女抄録」より 著者:矢田津世子
りの小店を借り受けて、荒物屋をはじめた。寿女が十七の時であった。 暮しのほうの足し前は、尾久の家から届けるようにと親戚の者たちのまえで話は決まったが、実行した....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
ではなく、外国人からは幾らかの金をまとめて寄贈し、それを土台に守田がまた幾らかの足し前をして、予定以上の立派なものを作りあげたのであって、彼としては多少の自腹を....