足す[語句情報] »
足す
「足す〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
足すの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「鼻」より 著者:芥川竜之介
》の先へ指をあてがったりして、根気よく鏡を覗いて見る事もあった。しかし自分でも満
足するほど、鼻が短く見えた事は、これまでにただの一度もない。時によると、苦心すれ....
「春」より 著者:芥川竜之介
昧《あいまい》に「そうねえ」を繰《く》り返した。が、辰子は「そうねえ」くらいに満
足する気色《けしき》も見せなかった。
「じゃ会って下さるわね。大村の下宿へ行って....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
らどうせ世の中は理想通りに行かないものだとあきらめて、好《い》い加減な候補者で満
足するさ。』と、世話を焼いた事があるのですが、三浦は反《かえ》ってその度に、憐む....
「西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
ぞを書こうとは思わない。ただいかにもありそうな、美しい歴史さえ書ければ、それで満
足する。僕は若い時に、小説家になろうと思った事があった。なったらやっぱり、そう云....
「或る女」より 著者:有島武郎
体が切りさいなまれるのを見続けながら、心の中で存分に復讐心《ふくしゅうしん》を満
足するような事があったら。こんな手紙を受け取ってもてんで相手にしないで愛子が来な....
「星座」より 著者:有島武郎
のだ。
「西山君も行くようなことをいっていたが……」
園は間をおいてむりにつけ
足すようにこれだけのことをいった。
西山がそんなたくらみをしているとは清逸の知....
「想片」より 著者:有島武郎
を、少しばかりの議論の末に痛切に感じたから、私は単に自分の言い足らなかった所を補
足するのに止めておこうと思う。そしてできるなら、諸家にも、単なる私の言説に対する....
「時代閉塞の現状」より 著者:石川啄木
てもなおかつ三十円以上の月給を取ることが許されないのである。むろん彼らはそれに満
足するはずがない。かくて日本には今「遊民」という不思議な階級が漸次《ぜんじ》その....
「弓町より」より 著者:石川啄木
れ》いある人にした上でなければ、その感じが当時の詩の調子に合わず、また自分でも満
足することができなかった。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~ 二三年....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
弱さから来る自分の醜さをも悲惨さをも意識しないが故に、その人はそのままの境地に満
足することが出来よう。偽善者は不幸にしてただ弱いばかりでなく、その反面に多少の強....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
像を彫刻し、人々はそれらの彫刻を不滅の美として称えていた。しかし彼自身はそれに満
足することが出来ず、世には更に美しい何物かが存在しているのであるが、自分はそれを....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
行をするものではない。私はただ本書を有益と考えられる人達のお役に立てば、それで満
足するものである。』 以上モーゼスの述べた所によりても明白である通り、『霊訓』....
「旅なかま」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
ちが三本、そこからとびだしていました。で、ふたりのいるまえをよろよろするうち、片
足すべらしてころぶとたん、きゃあとたかい声をたてました。きのどくに、このおばあさ....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
ら、ファラデーは多少失望して見えた。 ファラデーがある事実を知るのには、充分満
足するまでやって見ることを必要とした。それですっかり判ると、その次にはこれを他の....
「寡婦」より 著者:秋田滋
。そんな年端もゆかぬ子供の愛をまにうける者がどこにあるでしょう! 私はその子が満
足するだけ接吻をしてやりました。優しい手紙も書きました。その手紙は母親たちも読ん....