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足りる
「足りる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
足りるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
粒の米すらない程、貧乏にして下さいますな。どうか又|熊掌《ゆうしょう》にさえ飽き
足りる程、富裕にもして下さいますな。
どうか採桑の農婦すら嫌うようにして下さい....
「保吉の手帳から」より 著者:芥川竜之介
抛《なげう》ち、保吉はパンのために教師《きょうし》になった。こう云う事実を見れば
足りることである。が、あの実験心理学者はなかなかこんなことぐらいでは研究心の満足....
「星座」より 著者:有島武郎
く》いられねばならぬ態度だったのではないか。園は一人の勤勉な科学者であればそれで
足りるのに、兄のように畏敬《いけい》する星野からの依頼だとはいえ、格別の因縁《い....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
すだろう。その誠実を取り逃すな。若しそれが純であるならば、誠実は微量であっても事
足りる。本当をいうと不純な誠実というものはない。又量定さるべき誠実というものはな....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
関して長々しい論弁を費やしているのもまた当時一般の傾向を示すものとして注意するに
足りるのである。もっとも彼はただ太陽系だけを取り扱っている。しかして『この関係は....
「眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
ほかの鯉を使ってもらうわけには行くまいか。――差し出たことだが、一|尾か二|尾で
足りるものなら、お客は幾人だか、今夜の入用だけは私がその原料を買ってもいいから。....
「映画界手近の問題」より 著者:伊丹万作
とこれとはまたおのずから別の話である。道徳上の問題は道徳的制裁によって解決すれば
足りる。 たまたま一部に不徳漢があったということは決して四社連盟を正当づける理....
「地球盗難」より 著者:海野十三
われるものであって、要するにこの地球上に近年異変が起っているという事を指摘すれば
足りるのだ」 「するとこれは、やはりあの白幽霊ウラゴーゴルと関係があるんでしょう....
「三の字旅行会」より 著者:大阪圭吉
日分何円とかかる筈の運賃が、大阪と東京の二枚の入場券、つまりたったの二十銭で事が
足りるんだから、随分便利な方法さ。それも二度や三度ではなく、もうこの一年近くも毎....
「駆逐されんとする文人」より 著者:内田魯庵
がして名誉に感じるが、芸術税というは世界に比類なき珍税として公衆の興味を湧かすに
足りる。が、そこに一疑問がある。文学は果して職業だろう乎。 ▲世の中には文学を....
「幽霊船の秘密」より 著者:海野十三
くなって、誰の咽喉もからからにかわいてくるのだった。これでは、いくら水を呑んでも
足りるはずがない。 「おーい、みんな。ボートのうえに日蔽いをつくるんだ。シャツで....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
さんに聞きました心積り、学生の方が自炊をしてお在と云えば、土瓶か徳利に汲んで事は
足りる、と何となく思ってでもおりましたせいか、そのどうも水を汲む音が、馴れた女中....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
と思う。啓示と霊媒、又啓示と時代との関係を説きて直裁簡明、正に絶好の指針とするに
足りる。『インスピレーションは神から来る。しかし霊媒は人間である』――これを忘れ....
「西航日録」より 著者:井上円了
しくすぐれたものがある。実業ではすでに世界の国々を超え、文芸もまた周辺を圧するに
足りる。政治は平等の規律を定め、人民は同等にして尊卑はない。汽車は上中下の差を作....
「浅沼稲次郎の三つの代表的演説」より 著者:浅沼稲次郎
近の労働争議が吉田内閣の政策貧困から来ていることを意識せず、ただ弾圧だけすれば事
足りると考え、電産、石炭産業の労働者のストライキ権に制限を加えるがごときは、労働....