足を運ぶ[語句情報] » 足を運ぶ

「足を運ぶ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

足を運ぶの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
星座」より 著者:有島武郎
、お前、何んとか御挨拶をしないじゃならんぞ。お父さんもそうたびたび千歳からかけて足を運ぶわけにはいかないしよ」 と父は、いっそう腕を固く組んで、顔を落して説き....
幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
三間先まで来て、立ち止った、余が居るを疑っての為ではなく、話が大変な所へ掛った為足を運ぶのを忘れたのだ、秀子の声「幾等大胆でも真逆に茲へは来ませんよ」虎井夫人の....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
をしていたのだ。お馴染《なじみ》かえ」 「ええ、少し用があって……。これで三度も足を運ぶんですけれど……」 「そんなに逢いてえ人があるのか」と、半七は笑った。「....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ござんして、罪ほろぼしの積りか、災難よけの積りか、忙がしい暇をぬすんで神社仏閣に足を運ぶ者がたくさんありました。わたくし共も川崎大師へは大抵一年に二、三度は参詣....
高島異誌」より 著者:国枝史郎
のは医師千斎で、 「これこそ誠の生活というものじゃ」 斯う云って彼は元通り繁々足を運ぶようになった。筒井松太郎は云う迄も無く無邪気な仲のよい友達として、毎日の....
天馬」より 著者:金史良
るばかりだった。とうとう優美館裏あたりの大分淋しいところまでやって来た時は寸歩も足を運ぶことが出来ないまでにくたくたに疲れ、一先ずそこらのとあるきたならしい立飲....
紅白縮緬組」より 著者:国枝史郎
歩いて行く三人連れがある。紅縮緬で覆面をし燦やかの大小を落とし差しに佩き、悠然と足を運ぶ様子に、腕に自信のあることが知れる。 真っ先に進むは若衆と見えて匂うば....
戯作者」より 著者:国枝史郎
分には解らない」 馬琴は何となく寂しくなった。肩を落とし首を垂れ、うそ寒そうに足を運ぶ。 「京伝は俗物、一九は洒落者、そうして三馬は小皮肉家。……俺一人|彼奴....
雑文的雑文」より 著者:伊丹万作
わけである。 かくてある場合には「感心しない」という目的のもとにわざわざ劇場に足を運ぶというような理解し難い現象をさえ生ぜしめるにいたつたのである。 しかし....
血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
をかくしたところが林で、その林が道了塚の方へつづいていたので、それで道了塚の方へ足を運ぶまでであった。 彼は、どうして五郎蔵の乾児二人が、自分の隠れている農家....
雪の夜」より 著者:織田作之助
車がのろのろと徐行して来た。旅館では河豚を出さぬ習慣だから、客はわざわざ料亭まで足を運ぶ、その三町もない道を贅沢な自動車だった。ピリケンの横丁へ折れて行った。 ....
ある男と牛の話」より 著者:小川未明
と牛のしりをたたきましたが、牛は、力をいっぱい出していますので、もうそのうえ早く足を運ぶことはできませんでした。さすがに、男も、心のうちでは、無理をさせていると....
秋の鬼怒沼 」より 著者:木暮理太郎
、全く目隠しをされてしまった。開いているのは頭の上ばかりだ。漠然と空を見上げては足を運ぶ。 やっと少しの平に出た。笹は短くなったがそれでも肩を越す程の高さであ....
黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
に跟いて崩れ易い側崖の縁を、偃松や岳樺の枝から枝へと手を伸して、引き上げるように足を運ぶ。やっと雪田の上の崩れへ出た。二、三間先に雷鳥が一羽、人懐しげにこっちを....
黒部川を遡る 」より 著者:木暮理太郎
て六、七町も続いた。足場は確であるが山は急斜面の崖だらけであるから、手を出すにも足を運ぶにも気は許せない。崖には黒檜、米栂、姫小松などの黒木が多い。脚下は直立の....