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「足場〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

足場の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
偸盗」より 著者:芥川竜之介
かも、いら立てば立つほど、彼の打つ太刀は皆|空《くう》を切って、ややともすれば、足場を失わせようとする。犬は、そのすきに乗じて、熱い息を吐きながら、いよいよ休み....
捨児」より 著者:芥川竜之介
《にっそうおしょう》と云う人は、もと深川《ふかがわ》の左官だったのが、十九の年に足場から落ちて、一時|正気《しょうき》を失った後《のち》、急に菩提心《ぼだいしん....
カインの末裔」より 著者:有島武郎
じ果てて妻はぽつりと淋しそうに玉蜀黍殻《とうきびがら》の雪囲いの影に立っていた。足場が悪いから気を付けろといいながら彼《か》の男は先きに立って国道から畦道《あぜ....
星座」より 著者:有島武郎
よう。園は読みなれた詩集を燔牲《はんせい》のごとくに機械室の梁の上に残したまま、足場の悪い階子段を静かに下りた。 “Magna est veritas,et ....
夜行巡査」より 著者:泉鏡花
。コハ身を投ぐる! と老人は狼狽《うろた》えて、引き戻さんと飛び行きしが、酔眼に足場をあやまり、身を横ざまに霜を辷《すべ》りて、水にざんぶと落ち込みたり。 こ....
クララの出家」より 著者:有島武郎
を過ぎて通ったと思った。と、その両肱は棚のようなものに支えられて、膝がしらも堅い足場を得ていた。クララは改悛者のように啜泣きながら、棚らしいものの上に組み合せた....
眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
しい。この窓からも見える。新しく建て増した柱立てのまま、筵がこいにしたのもあり、足場を組んだ処があり、材木を積んだ納屋もある。が、荒れた厩のようになって、落葉に....
春昼」より 著者:泉鏡花
頻と客をしまする処、いずれ海が、何よりの呼物でありますに。この久能谷の方は、些と足場が遠くなりますから、すべて、見得装飾を向うへ持って参って、小松橋が本宅のよう....
伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
しているの。」 「水が欲しいの。」 と、あどけなく言った。 ああ、それがため足場を取っては、取替えては、手を伸ばす、が爪立っても、青い巾を巻いた、その振分髪....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
かけると、訓導は不意打ながら、さしったりで、杖を小脇に引抱き、 「学校へ通うのに足場が悪くって、道が遠くって仕様がないから留めたんだ。」 「朝寝さっしゃるせいだ....
黒百合」より 著者:泉鏡花
裏町の人数八九名に取占められて路地内へ遁げ込むのを、容赦なく追詰めると、滝は廂を足場にある長屋の屋根へ這上って、瓦を捲くって投出した。やんちゃんもここに至っては....
幸福のうわおいぐつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
を通りぬけようとしたときに、たかだかと月がのぼりました。 「おや、なんとおもって足場みたいなものをここに建てたのだ。」 東門をみつけて、参事官はこうさけびまし....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
雲に聳ゆる高塔を仰いで、その偉観に感激せずにはいられないとしても、さて、どういう足場を組んで、そんな高いものを建て得たかが、判らないのと同じである。 ファラデ....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
ても、それだと、爪さきがまだ、石の上を離れないで、勝手が悪い。 そこで、極めた足場、枝の節へ立てるまで、娘を負う事になりました。 一度、向合った。 (まだ、....
雪柳」より 著者:泉鏡花
る処が多い。 ここへ来たのは、もう一ヶ処、見て戻りたい場所があったからで。……足場のよくない、上り道だが、すぐ近くに、造作なく、遠い心覚えの、見当がついた。 ....