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足手纏
「足手纏〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
足手纏の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
はお口に出されず、それにお体も、かぼそいながら至って御丈夫であった為め、一|行の
足手纏いになられるようなことは決してなかったと申すことでございます。 かかる艱....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
お雪は失心の体で姿を繕うこともせず。両膝を折って少年の足許に跪いて、 「この
足手纏さえございませねば、貴方お一方はお助り遊ばすのに訳はないのでございます。」....
「無惨」より 著者:黒岩涙香
は愛想尽き只管ら金起を愛したるゆえ左らば寧児をも連れて共に行かんと云いたるに※は
足手纏いなりとて聞入るゝ様子なければ詮方なく寧児を残す事とし母にも告げず仕度を為....
「罠に掛った人」より 著者:甲賀三郎
出ませんでした。 結局、私達は生きて行けないのです。私は決心しました。私と云う
足手纏がなければ、男ですもの、あなたはきっと何か生きる道を、見出されるに違いない....
「静岡地震被害見学記」より 著者:寺田寅彦
。寺の堂内には年取った婦人が大勢集まって合唱をしていた。慌ただしい復旧工事の際|
足手纏いで邪魔になるお婆さん達が時を殺すためにここに寄っているのかという想像をし....
「足迹」より 著者:徳田秋声
を売ったこともあるぞえ。」と、主婦の苦労ばなしが、また想い出された。 自分には
足手纏いの子供のあることや、長いあいだ亭主に虐げられて来たことが、つくづく考えら....
「爛」より 著者:徳田秋声
た子だというのが、事実らしく思えた。女が情夫と別れて、独立の生活を営むにつけて、
足手纏いになる子供を浅井にくれて、東京附近の温泉場とかへ稼ぎに行っているのだとい....
「日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
かりではなく復興されねばならぬ、ということだ。かくてブルジョア哲学の不利な負債や
足手纏いは、この犠牲のおかげで片づけられ又は清算される。特に、一九〇五年以後十年....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
と》もと思われる節もないではないが――今後もこういう場合を予想すれば、長い旅路の
足手纏《あしでまと》いが思いやられる。いっそ、預けて置いて出かけちゃどうだ」 「....
「若き日の成吉思汗」より 著者:林不忘
ぎ立てて来たか。手兵は足らず、食糧は乏しい城に、城下の者まで逃げこんで、この上の
足手纏いはない。 避難民中の女 (嬰児を庇いながら狂的に)御城主の弟様、軍はどう....
「宝石の序曲」より 著者:松本泰
は引き上げられそうだし、店は倒れかかっているし、夜逃げには誂《あつら》え向きだ。
足手纏《あしでまと》いになると思っていたみのりは自分から片をつけるし、まったく幸....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
った。予本邦の猫についてその事実たることを目撃した。虎も四疋生みながら、一、二疋
足手纏いになり過ぎるので食ってしまうのかも知れぬ。虎一生一乳、乳必双虎と『類函』....