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足掛り
「足掛り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
足掛りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「真景累ヶ淵」より 著者:三遊亭円朝
》に掴まって段々下りて行くと、ちょうど松柏の根方《ねがた》の匍《は》っている処に
足掛りを拵《こしら》えて、段々と谷間《たにあい》へ下りまして、
甚「アヽ斯《こ....
「坑夫」より 著者:夏目漱石
前へ出して、草鞋《わらじ》で探《さぐり》を入れた。ところが全く宙に浮いてるようで
足掛りがちっともない。何でも穴の向うは、がっくり落《おち》か、それでなくても、よ....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
。 ジメネス教授が、「蕨の切り株」をとり巻く湿地を調査して、まるで海図みたいに
足掛りの個所を記入した地図がある。それが、米国地理学協会にあったのが大変な助けと....
「三人の双生児」より 著者:海野十三
が悪いから、早く客間の方へ上げてよ」 妾に似ているというところを、僅かに安心の
足掛りとして、思い切って会ってみることにした。さあ、どんな男だろうか。一と目見て....
「あの顔」より 著者:林不忘
両側に低い潅木の繁みを持って、ゆるい勾配で山のほうへ上っていた。ところどころに、
足掛りの丸太が、階段のように二つ三つずつ横倒しに置かれてあった。あちこちの草むら....
「敵討札所の霊験」より 著者:三遊亭円朝
ょめ」 と追掛られて逃途がないが、山之助年は十七で身が軽いから、谷間でも何でも
足掛りのある処へ無茶苦茶に逃げ、蔦蘿などに手を掛けて、ちょい/\/\/\と逃げる....
「怪塔王」より 著者:海野十三
ようなものでもあるかと思いましたから、よく気をつけて眺めました。しかしそのような
足掛りになるものは何一つとてなく、全くつるつるした壁でありました。 その時、小....
「流線間諜」より 著者:海野十三
帆村は、さも計画を熟知しているような顔をして、この機密に攀じのぼるための何かの
足掛りを得たいつもりだった。 「はッはッはッ」と「右足のない梟」は太々しく笑って....
「後の業平文治」より 著者:三遊亭円朝
まるで井戸の中へ這入ったようでござります。恐る/\四方を捜って見ましたが、少しも
足掛りはなし、如何せばやと胸騒ぎいたしましたが、余り騒いで熊が目を覚し、噛付かれ....
「波多野邸」より 著者:豊島与志雄
目に言った。 その勉強の機関、というほどでもないが、洋介が帰国してからの活動の
足掛りとして、ささやかなものが、高石老人の発意で設けられていた。邸内の、故人の書....
「空家の冒険」より 著者:ドイルアーサー・コナン
れてあったが、しかしあれは必ずしも、文字通りには正しくはなかったのだ。二三ヶ処、
足掛りになるようなものもあったし、また、窪地さえもあったのだ。確にその高さは大し....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
過ぎない位であったが、極めて束縛されない寛大な条件を徳として、予ての素志を貫ぬく
足掛りには持って来いであると喜んで快諾した。かつあたかも語学校の校長|高楠と衝突....
「秋の鬼怒沼 」より 著者:木暮理太郎
となる。さっき眺めた二番目の突起にさし掛ったのだ。透間もなく密生した石楠を手掛り
足掛りとして、表面は圭角の鋭いぼろぼろの岩屑と変っている岩の間を匐い上り、長いが....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
の海に一路の波痕を印して緩くうねっている。岩間に根を下ろした米躑躅が旨く手掛りや
足掛りを造って呉れるが、其度毎に枝間に咲きこぼれたつつましやかな白い花を※気が吹....
「八ヶ峰の断裂 」より 著者:木暮理太郎
向って傾いた一枚岩の上に出る。幅は五、六尺に過ぎないが、平滑なる表面には手掛りも
足掛りもなく、向う側はまた岩壁であるから一思いに飛び越す訳にも行かぬ。尤も高さは....