足枷[語句情報] »
足枷
「足枷〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
足枷の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「真田幸村」より 著者:菊池寛
これは余談だが、小田原落城後、秀吉は、その時の使節たる坂部岡江雪斎を捕え、手枷
足枷をして、面前にひき出し、「汝の違言に依って、北条家は亡んだではないか。主家を....
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
した一人の土匪は、両手をうしろへ廻されて、項に吊すように、ふん縛られ、足は大きな
足枷で錠をかけられていながら、真中の洋車にふんぞりかえって、俥夫と、保安隊士を等....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
ろが御鬮のおもてには助けろとあらわれた。そこで降蔵らは本正寺に呼び出され、門前で
足枷を解かれ、一同書付を読み聞かせられた。それからいったん役人の前を下がり、門前....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
女は遠ざけられていたことを想像して見るがいい。幾時代かの伝習はその抗しがたい手枷
足枷で女をとらえた。そして、この国の女を変えた。遠い日本古代の婦人に見るような、....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
音がして、彼は家根から飛び下りて来たので、獄卒は先ずほっとして、ふたたび彼に手枷
足枷をかけて獄屋のなかに押し込んで置いた。 夜が明けると、昨夜三更、張府に盗賊....
「白峰山脈縦断記」より 著者:小島烏水
んでいる風が、鎖を繋がれながらも、それからそれへと哮り狂って、のた打ち廻り、重い
足枷を引き擦り引き擦り、大叫喚をしているのであろう、油紙の天幕の下は、朽木の体内....
「続獄中記」より 著者:大杉栄
ったばかりに、自分のからだの中に本当に見ることができたのではあるまいか。 手枷
足枷 やはりこの千葉でのことだ。 ある日の夕方、三、四人の看守が何かガチャガ....
「獄中生活」より 著者:堺利彦
それから減食でもこたえぬ奴は暗室に入れる。重罪囚で手に合わぬ奴には※とはすなわち
足枷である。それでもまだこたえぬ奴には、一二貫目もある鉄丸を背負わせるとのこと。....
「太平洋魔城」より 著者:海野十三
と」 衛兵長は、顔をしかめながらいった。 「日本猿を、こっちへつれてこい。鉄の
足枷をはかせ、その鎖にゆわえつけとくんだ。貴様が逃げだせば、こっちの命までが、ふ....
「クリスマス・カロル」より 著者:ディケンズチャールズ
い物音を真夜中に立てて、鏈をガチャガチャと鳴らした。 「おお! 縛られた、二重に
足枷を嵌められた捕虜よ」と、幽霊は叫んだ、「不死の人々のこの世のためにせらるる不....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
保護されている女だけの席・地獄の絵・審判の日の作り物・うその告白をした女を罰する
足枷――それらにまんべんなく感心してしまうと、もうありませんな、と番頭のほうが困....
「西鶴と科学」より 著者:寺田寅彦
て迷惑させるのも心理的である。エチオピアで同様の場合に貸し方と借り方二人の片脚を
足枷で縛り合せて不自由させるという話と似ていて可笑しい。また有名な「三人一両損」....
「かもじの美術家」より 著者:神西清
に鎖につながれて入れられていました。そのそばを通りかかると、時おり鎖の鳴る音や、
足枷をはめられた人たちの呻き声が、聞えることもありました。そのむごい有様が、どう....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
所で、罪人などあるとこの道の辺に晒します。その晒し方にもいろいろある。ただ手錠、
足枷を箝めて晒して居る者もあるがこの時は大変に晒されて居るのを見たです。およそ二....