»
跋扈
「跋扈〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
跋扈の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
うのであろう、ただの一度も妖怪退治や妖怪探索に着手したことはないらしく、かれらの
跋扈《ばっこ》跳梁《ちょうりょう》に任かしておいた形がある。したがって、今度の柳....
「初めて見たる小樽」より 著者:石川啄木
残して、新らしき未来を忘るるの時、保守と執着と老人とが夜の梟《ふくろう》のごとく
跋扈《ばっこ》して、いっさいの生命がその新らしき希望と活動とを抑制せらるる時であ....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
ために玩具の製造などはほとんど中止されてしまって、どこのおもちゃ屋にも日本製品が
跋扈しているというありさまで、うっかりすると外国からわざわざ日本製を買い込んで来....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
てさせるのも、彼が一つの興味となった。 しかしこの時代でも、こうした悪鬼の跳梁
跋扈をいつまでも見逃がしてはおかなかった。殊に天下もようやく一統して、徳川幕府は....
「木の子説法」より 著者:泉鏡花
なのだそうである。 中にも、こども服のノーテイ少女、モダン仕立ノーテイ少年の、
跋扈跳梁は夥多しい。…… おなじ少年が、しばらくの間に、一度は膝を跨ぎ、一度は....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
も、鎌を買う資本がない、従ってかの女、いや、あの野郎の狼藉にまかせてあるが、跳梁
跋扈の凄じさは、時々切って棄てないと、木戸を攀じ、縁側へ這いかかる。……こんな荒....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
わりてからの進歩である。忍耐が大切な所以である。 問『心の迷、実証の困難、僻見の
跋扈等をいかにすべきか? 果してこれ等の故障に打勝ち得るか?』 最後の必勝――....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
となり、亡命者や、王党側の暴れものや、そのほか、あらゆる国境の荒くれ男どもが跳梁
跋扈したのである。しかし、それからもういく年か過ぎ、この時分には当時の物語をする....
「明治時代の湯屋」より 著者:岡本綺堂
たことでも無いが、警察から屡々注意するにも拘らず、男湯にも女湯にも板の間かせぎが
跋扈する。それを防ぐために、夜間混雑の際には脱衣場に番人を置くことになったが、大....
「父の怪談」より 著者:岡本綺堂
その不思議は依然としてやまない。どこから現われて来るのか、蛙の群れが屋敷じゅうに
跋扈していることはちっとも以前とかわらないので、邸内一同もほとほと持て余している....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
ている高武蔵守師直の娘で、小坂部というかれが名は雲の上までもきこえていた。武家が
跋扈の時代であるから、陪臣の師直の娘も内外の者に姫と呼ばれて、かれは栄耀のあるた....
「妖怪漫談」より 著者:岡本綺堂
ける、猫が化けるというわけで、大抵の動物はみな化けるのであるから、狸ばかりが特に
跋扈することを許されないのかも知れない。前にもいう通り、猫も勿論化けるのであるが....
「源之助の一生」より 著者:岡本綺堂
自分の相手方であった団菊左の諸名優も相次いで凋落し、後輩の若い俳優らが時を得顔に
跋扈しているのを見ると、彼はその仲間入りをするのを快く思わなかったかも知れない。....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
侍は無粋な執深の嫌われ者となっている。維新の革命で江戸の洗練された文化は田舎侍の
跋扈するままに荒され、江戸特有の遊里情調もまた根底から破壊されて殺風景なただの人....
「明治の文学の開拓者」より 著者:内田魯庵
大なるは誰が何といっても認めなければならぬ。 近来はアイコノクラストが到る処に
跋扈しておるから、先輩たる坪内君に対して公然明言するものはあるまいが、内々では坪....