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跨る
「跨る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
跨るの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「三つの窓」より 著者:芥川竜之介
煙も幾すじかかすかにたなびいていた。この手ぬかりを見た水兵たちの一人は砲身の上へ
跨るが早いか、身軽に砲口まで腹這って行き、両足で蓋を押しあけようとした。しかし蓋....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
しょう。今度こそ、いよいよそれっきりでおしまいでございます……。 足掛三|年に
跨る籠城……月に幾度となく繰り返される夜打、朝駆、矢合わせ、切り合い……どっと起....
「心臓盗難」より 著者:海野十三
こそ、本事件を解くの正道だと考えた袋探偵は、隠しておいた無音オートバイにひらりと
跨ると、さっきのクーペの後をめがけて大追跡に移ったのであった。 すばらしく鼻の....
「蠅男」より 著者:海野十三
帆村は早くもこれに気づいた。 「まあ落つけ」 彼は一言そう云ってヒラリと車に
跨ると、素早くクラッチを踏んだ。自動三輪車は大きく揺れると、弾かれたように路地か....
「ルバイヤート」より 著者:小川亮作
。 15 大地を担う牛――イラン人は地球は円いものではなく、大海の中の大魚の上に
跨る大牛の背中にのっているものと考えていた。そして太陽は地球の周囲を廻転するもの....
「郷介法師」より 著者:国枝史郎
うと思われるような、威風堂々たる逸物であったが、岡郷介は驚きもせずひらりとばかり
跨るとタッタッタッタッと馬場を廻る。 「見事々々」と最所治部は思わず感嘆して声を....
「千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
、終に紅色の光を帯びた巓まで見られる頃は、影が山から山へ映しておりました。甲州に
跨る山脈の色は幾度変ったか知れません。今、紫がかった黄。今、灰がかった黄。急に日....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
汚いもの扱いにする癖を知っていて、それをにがにがしいことに思っていた医者は、馬に
跨るが早いか、道のぬかるみを選って歩かせ初めた。 その日はちょうど大雨の後だっ....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
顔とては唯アイヌが一人通りかゝりに寄ったと云う話。不便な話では、牧場は釧路十勝に
跨るので、斗満から十勝の中川郡|本別村の役場までの十余里はまだ可として、釧路の白....
「真夜中から黎明まで」より 著者:豊島与志雄
でき、星の光が空の奥深く潜んでいく。そしてこの死のような静寂のうちに、天と地とに
跨る大きな影が垂れ罩めて、月のある夜は月の光を、月のない夜は夜の闇を、嵐の夜はそ....