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路上
「路上〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
路上の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
したことを覚えている。いや、几上《きじょう》、車上、厠上《しじょう》、――時には
路上にも熱心に本を読んだことを覚えている。木剣は勿論《もちろん》「水滸伝」以来二....
「路上」より 著者:芥川竜之介
くは両腕を胸に組んで、じっと西洋机《デスク》の前へ坐っていた。
(以上を以て「
路上」の前篇を終るものとす。後篇は他日を期する事とすべし。)
(大正八年七月)....
「或る女」より 著者:有島武郎
映ったに違いない。女優らしい女優を持たず、カフェーらしいカフェーを持たない当時の
路上に葉子の姿はまぶしいものの一つだ。葉子を見た人は男女を問わず目をそばだてた。....
「片信」より 著者:有島武郎
そうなったのにすぎないのだ。ある人が部屋の中を照らそうとして電燈を買って来た時、
路上の人がそれを奪って往来安全の街燈に用いてさらに便利を得たとしても、電燈を買っ....
「初めて見たる小樽」より 著者:石川啄木
的な風物の静けさに圧せられて、やはり静かにゆったりと歩く。小樽の人はそうでない、
路上の落し物を拾うよりは、モット大きい物を拾おうとする。あたりの風物に圧せらるる....
「性急な思想」より 著者:石川啄木
の生活)を出来るだけ改善しようとしている者に取っては、無暗《むやみ》に強烈な酒、
路上ででも交接を遂げたそうな顔をしている女、などと共に、全然不必要なものでなけれ....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
よってお前は本当の人間の生活を阻害し、生命のない生活の残り滓を、いやが上に人生の
路上に塵芥として積み上げるのだ。花屋の為めに一本の桜の樹は花ばかりの生存をしてい....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
道路をつきぬけて破裂した敵弾は、径十センチばかりの水道鉄管をふきあげ、それが
路上に電柱の如く突っ立ち、あたりは水にて池の如し、という。また三千ボルトの高圧線....
「奇賊悲願」より 著者:海野十三
ったユニフォームを着た刑事だった。 銃声一発! 刑事は蝙蝠のような恰好をして道
路上に倒れたが、そのとき刑事の左腕が切断して宙にとぶのが見られた。 貫一は、そ....
「空襲警報」より 著者:海野十三
出ることができた。そこで彼は、たいへん夥しい避難者の列にぶつかってしまった。狭い
路上には、どこから持ちだしてきたのか車にぎっしりと積んだ荷物が、あとからあとへと....
「些細な事件」より 著者:井上紅梅
人力車をめっけ、それを雇ってS門まで挽かせた。まもなく風は小歇《おや》みになり、
路上の浮塵《ふじん》はキレイに吹き払われて、行先きには真白な大道が一すじ残ってい....
「錦紗」より 著者:犬田卯
っていたのだし、あの写真がしっかと紙幣を握っていてくれるであろう。お通は全神経を
路上に集中して、ちょっとした木片、一個の石塊にも眼をそそぐことを忘れず、ずっと自....
「遠野の奇聞」より 著者:泉鏡花
る太平楽を並ぶるも、山の手ながら東京に棲むおかげなり。 奥州……花巻より十余里の
路上には、立場三ヶ所あり。その他はただ青き山と原野なり。人煙の稀少なること北海道....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
にとじこめられている。徒歩で谷のあたりに至れば草にいろどられ、春のごとき風の吹く
路上は冬の三カ月にあたる。) その景の雄壮なるは、はるかにスイスをしのぐの勢い....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
の要塞に対してはその守備兵を他に牽制し、要すれば正攻法に依りこれを攻略する。作戦
路上にある要塞を放置して遠く作戦を為す事はほとんど不可能とせられた。 かくして....