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「路地〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

路地の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
星座」より 著者:有島武郎
すでに乱れきった彼の心をさらにときめかすような物語だった。 突然柿江は橋の奥の路地をこちらに近寄ってくる人影らしいものに気がついた。はっと思った拍子に彼は、た....
婦系図」より 著者:泉鏡花
配せをすると、お源は莞爾して俯向いたが、ほんのり紅くした顔を勝手口から外へ出して路地の中を目迎える。 「奥様は?」 とその顔へ、打着けるように声を懸けた。また....
木の子説法」より 著者:泉鏡花
渠は博徒の小僧であった。 ――家、いやその長屋は、妻恋坂下――明神の崖うらの穴路地で、二階に一室の古屋だったが、物干ばかりが新しく突立っていたという。―― ....
小春の狐」より 著者:泉鏡花
、しっとりと静に枝垂れたのは、「火事なんかありません。」と言いそうである。 横路地から、すぐに見渡さるる、汀の蘆の中に舳が見え、艫が隠れて、葉越葉末に、船頭の....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
十四 「両袖で口を塞いで、風の中を俯向いて行く。……その女の案内で、つい向う路地を入ると、どこも吹附けるから、戸を鎖したが、怪しげな行燈の煽って見える、ごた....
陽炎座」より 著者:泉鏡花
る月、輝く日は、兀げた金銀の雲に乗った、土御門家一流易道、と真赤に目立った看板の路地から糶出した、そればかり。 空を見るさえ覗くよう、軒行燈の白いにつけ、両側....
革鞄の怪」より 著者:泉鏡花
広さも、一軒隣のアラビヤ式と銘打った競馬ぐらいはあろうと思うのに、筵囲いの廂合の路地へ入ったように狭くるしく薄暗い。 正面を逆に、背後向きに見物を立たせる寸法....
菎蒻本」より 著者:泉鏡花
当てて、上下に、調子を取って、声を揉出す。 佐内坂の崖下、大溝通りを折込んだ細路地の裏長屋、棟割で四軒だちの尖端で……崖うらの畝々坂が引窓から雪頽れ込みそうな....
開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
つつ、飲む酒も、ぐッぐと咽喉へ支えさしていたのが、いちどきに、赫となって、その横路地から、七彩の電燈の火山のごとき銀座の木戸口へ飛出した。 たちまち群集の波に....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
たんかたんと、三崎座の昼芝居の、つけを打つのが合間に聞え、囃の音がシャラシャラと路地裏の大溝へ響く。…… 裏長屋のかみさんが、三河島の菜漬を目笊で買いに出るに....
黒百合」より 著者:泉鏡花
は、今年が十九で、十一の時まで浅草|俵町の質屋の赤煉瓦と、屑屋の横窓との間の狭い路地を入った突当りの貧乏長家に育って、納豆を食い、水を飲み、夜はお稲荷さんの声を....
怨霊借用」より 著者:泉鏡花
が、何も修業と申して、朝も早くから、その、(ぴい、ぷう。)と、橋を渡りましたり、路地を抜けましたり。……それが死にましてからはな、川向うの芸妓屋道に、どんな三味....
葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
なしの一銭五厘二銭玉、ぱいれっと、ひーろーぐらいな処を商う店がある、真中が抜裏の路地になって合角に格子戸|造の仕舞家が一軒。 江崎とみ、と女名前、何でも持って....
三枚続」より 著者:泉鏡花
聞社の探訪員で、竹永|丹平というのであった。 軒の柳、出窓の瞿麦、お夏の柳屋は路地の角で、人形町|通のとある裏町。端から端へ吹通す風は、目に見えぬ秋の音信であ....
本所両国」より 著者:芥川竜之介
丁目――かな。何でもあの辺は膝位まででしたがね。僕はSという友だちと一しょにその路地の奥にいるもう一人の友だちを見舞に行ったんです。するとSという友だちが溝の中....