路地裏[語句情報] » 路地裏

「路地裏〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

路地裏の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
夫婦善哉」より 著者:織田作之助
がした。 二三日、狭苦しい種吉の家でごろごろしていたが、やがて、黒門市場の中の路地裏に二階借りして、遠慮気兼ねのない世帯《しょたい》を張った。階下《した》は弁....
青春の逆説」より 著者:織田作之助
ま》表門筋から上汐町六丁目へかけて、一・六の日「駒ヶ池の夜店」が出る一帯の町には路地裏の数がざっと七、八十あった。生玉筋から上汐町通りへ 」の字に抜けられる八十....
わが町」より 著者:織田作之助
ないくらい多く、その町にざっと七八十もあろうか。 いったいに貧乏人の町である。路地裏に住む家族の方が、表通りに住む家族の数よりも多いのだ。 地蔵路地は※の字....
木の子説法」より 著者:泉鏡花
のが可恐かったので、柱へつかまった。 一軒隣に、焼芋屋がありましてね。またこの路地裏の道具屋が、私の、東京ではじめて草鞋を脱いだ場所で、泊めてもらった。しかも....
第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
に、薄藤色の半襟を、面痩せた、が、色の白い顋で圧えて云う。 その時、小雨の夜の路地裏の待合で、述懐しつつ、恥らったのが、夕顔の面影ならず、膚を包んだ紅であった....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
たんかたんと、三崎座の昼芝居の、つけを打つのが合間に聞え、囃の音がシャラシャラと路地裏の大溝へ響く。…… 裏長屋のかみさんが、三河島の菜漬を目笊で買いに出るに....
雪柳」より 著者:泉鏡花
て饒舌るから、気のいい差配は、七輪や鍋なんぞ、当分は貸したものです。 徒士町の路地裏に居ました時で。……京では堂宮の絵馬を見ても一日暮せるという話を聞きます。....
草紅葉」より 著者:永井荷風
き、横町の端《はず》れに忽然《こつぜん》吉原遊廓の家と灯とが鼻先に見えるあたりの路地裏にあった。或晩舞台で稽古に夜をふかしての帰り道、わたくしは何か口ざむしい気....
里の今昔」より 著者:永井荷風
《たたり》でその恋人を刺す話を述べたもので、お歯黒溝《はぐろどぶ》に沿うた陰欝な路地裏の光景と、ここに棲息して娼妓の日用品を作ったり取扱ったりして暮しを立ててい....
西瓜」より 著者:永井荷風
事が起るくらいならば、移住を思立つにも及ぶまい。どうにか我慢して余生を東京の町の路地裏に送った方がよいであろう。さまざま思悩んだ果《はて》は、去るとも留《とどま....
十日の菊」より 著者:永井荷風
った。尤《もっとも》わたしは終日外へ出なかったのでその事を知らなかったが、築地の路地裏にそろそろ芸者の車の出入しかける頃、突然唖々子が来訪して、蠣殻町《かきがら....
すみだ川」より 著者:永井荷風
敢《はかな》いとか悲しいとか思う元気さえなくなって、唯《た》だぼんやり、狭く暗い路地裏のいやに奥深く行先知れず曲込《まがりこ》んでいるのを不思議そうに覗込《のぞ....
つゆのあとさき」より 著者:永井荷風
ぎ》らしい女の様子。矢田は勿論《もちろん》の事。君江の目にも寐静《ねしずま》った路地裏の情景が一段|艶《なまめか》しく、いかにも深《ふ》け渡った色町《いろまち》....
婚期はずれ」より 著者:織田作之助
貰いに来て、半時間経つと、一袋も残らず、葬礼人夫は目がまわった。一町の間に八つも路地裏のある貧乏たらしい町で、子供たちは母親にそそのかされてか、何遍も何遍も浅ま....
わが町」より 著者:織田作之助
情けないくらい多く、その町にざっと七八十もあろうか。いったいに貧乏人の町である。路地裏に住む家族の方が、表通りに住む家族の数よりも多いのだ。地蔵路地はLの字に抜....