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「跳ね上る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

跳ね上るの前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
幻影の盾」より 著者:夏目漱石
めて飽きたらず、摧《くだ》けたる※片《こうへん》と共にルーファスの胸のあたりまで跳ね上る。「夜《よ》迷《ま》い烏の黒き翼を、切って落せば、地獄の闇《やみ》ぞ」と....
笑う唖女」より 著者:夢野久作
花は見る見る眼を丸くして口をポカンと開いた。泥だらけの手足を躍らして小犬のように跳ね上ると、玄関の式台へ泥足のまま駈け上って、栗野博士を突除《つきの》けながら、....
貧しき人々の群」より 著者:宮本百合子
傾けて、その一点の光明を凝視していたが、やがて急に身を躍らせ両手を宙に振りあげて跳ね上ると極度の歓喜《よろこび》と喫驚《おどろき》の混同したような、非常に高く鋭....
暗黒公使」より 著者:夢野久作
して余裕を保っていた私の精神は……身体はギリギリと引き締まって、ちょっと触っても跳ね上る位になっていた。 併し表面は飽くまでも平静を装うていた。今の電車から降....
旅愁」より 著者:横光利一
。無論、千鶴子も誰も知らなかった。この二三日、久慈に突きあたりすぎた自分を矢代は跳ね上る雨脚を眺めながら後悔した。ひっ附いていると突き合うくせに放れると心配にな....
艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
の上に降り注いで、そのまま水に吸い込まれているようだった。時々小さな魚が水の面に跳ね上るのが見られたが、水泡の爆ぜ割れる微かな音一つ立てなかった。 「静かな夜だ....
夜の靴」より 著者:横光利一
。右往左往して揺れ暴れる稲の穂波。割れ裂けるガラス窓。水面の青葉をひっ冠ったまま跳ね上る鯉。 そこへ私にここ参右衛門の一室を世話してくれた別家の久左衛門が這入....
崖下の池」より 著者:豊島与志雄
少くなると、盛んに波紋が立ちます。いろいろな魚があわて騒いでいるのです。水面から跳ね上るのもあります。水草や穴の中から音を立てて出てくるのもあります。水はますま....
兎と猫」より 著者:井上紅梅
ると、彼等は身を僂《ちぢ》めて後脚《あとあし》で地上に強く弾みを掛け、ポンと一つ跳ね上る有様は、さながら一団の雪が舞い上ったようで、烏や鵲はびっくりして逃げ出す....
墓地展望亭」より 著者:久生十蘭
とすると、その間、鼬鼠のケープは……よし。なんとかなる!) ひとッ飛びに床から跳ね上ると、また段階を駆け降りて食堂へ走り込んだ。 給仕長《シェフ・ド・テル》....
不思議な魚」より 著者:室生犀星
は、海の中に一かたまりに群れていて、その盛んに群れている時はせり合うた鰯が水面へ跳ね上るくらいで、鴎なぞがそれを捕って食うほどです。しかし、その日は鰯が群れては....