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踊り場
「踊り場〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
踊り場の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「路上」より 著者:梶井基次郎
て、やっとその姿勢で身体は止った。止った所はもう一つの傾斜へ続く、ちょっと階段の
踊り場のようになった所であった。自分は鞄《かばん》を持った片手を、鞄《かばん》の....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
きりにして、俺はサッサと帰るからね」 それからカムポスは、賭博場はいうに及ばず
踊り場からキャバレーまでのほとんど「恋鳩」の全客をあつめたと思われるほどの、黒山....
「渾沌未分」より 著者:岡本かの子
の可愛らしい灯の中で青苦い香気のある冷し白玉を喰べ、東京でも東寄りの下町の小さい
踊り場を一つ二つ廻って、貝原はあっさり小初の相手をして踊る。 この界隈の
踊り場....
「蜘蛛」より 著者:甲賀三郎
トの階段をのぼった。のぼりきると、そこにたたみ一畳じきよりすこしひろいぐらいの|
踊り場があり、そこに研究室内にはいる唯一のドアがひらいていた。階段と
踊り場はむろ....
「映画雑感(Ⅱ)」より 著者:寺田寅彦
些細な場面にもやはり些細の真実の描写がある。 気の変な老紳士は観客を笑わせる。
踊り場でピストルをひねくり回し、それを取り上げられて後にまた第二のピストルをかく....
「日本脱出記」より 著者:大杉栄
ンと言えば、パリへ行った外国人で知らないもののない、あまり上品でない、ごく有名な
踊り場だ。そこの、と言ってもちっとも自慢にならないのだが、とにかくそこの女の中で....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
の価値を論じて私共が音楽の世界にストレンジャーであるのを嘆いたが、いま花やかなる
踊り場の中にあって、調子の整った三味の音、鼓、大鼓、笛の響きを聞いたとき、ほんと....
「大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
、風呂の注文と、道を聞く位の事は出来る。 巴里の千日前の様な処へ行くと、盛んな
踊り場があって、その騒ぎはとても想像が出来ない位のもんだ。 バルタバラン、オリ....
「巴里祭」より 著者:岡本かの子
トロア・コロンヌだとか、バル・デ・ファミイユだとか、メイゾン・バルとか言うような
踊り場が挟まっていた。ニスで赧黒く光った店構えに厚化粧でもしたような花模様が入口....
「華々しき瞬間」より 著者:久坂葉子
りに行った。はやいテンポのジャズが演奏されていた。赤羽夫人はパートナーと共にすぐ
踊り場へ。そして、フレンチホットのステップでぐるぐる旋回しはじめた。長い髪の毛に....
「日本文化私観」より 著者:坂口安吾
踊りたいと言いだしたからだ。ダンスホールは東山の中腹にあって、人里を離れ、東京の
踊り場よりは遥に綺麗だ。満員の盛況だったが、このとき僕が驚いたのは、座敷でベチャ....
「十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
へはいれ! 黎明が来たぞ、島へ隠れろ! ……大金がはいった、さあ上陸だ! 酒場、
踊り場、寝台のある旅舎! どれでも選べ、女を漁れ! 飲め、酒だ、歌え! それより....
「犬を連れた奥さん」より 著者:神西清
っていたのに、あなたは何だって、何だってまた出掛けていらしったの?」 少し上の
踊り場で、中学生が二人煙草を吹かしながら見おろしていたが、グーロフにはそんなこと....
「豆腐買い」より 著者:岡本かの子
抜けていた。顔と身体は人形で手足だけ人間以上の生命を盛っている。そういえば巴里の
踊り場でみる日本のタンゴというものが腰に異様なねばりと業があってみんな女と柔道を....
「審判」より 著者:カフカフランツ
そらく倒れたであろう。Kはしばらくじっと立ち止っていたが、懐中鏡で髪を直し、次の
踊り場にころがっている帽子を拾い上げ、――案内係がきっとそれを投げ出したのだった....