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「踊場〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

踊場の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
大阪万華鏡」より 著者:吉行エイスケ
の訊問に対して率直に答えた。 「――チタ子とは数日前、私が夙川《しゅくがわ》の舞踊場の踊りの帰路を立寄ったR酒場で会ったのです。彼女は自分の勤めている官省のN課....
モルグ街の殺人事件」より 著者:佐々木直次郎
荒々しい声が二言三言聞きとれた。それは家の上の方から聞えたものらしかった。第二の踊場に着いたときには、この音もやんでしまい、あたりはまったく静かになった。一同は....
部屋」より 著者:宮本百合子
た。百代は跫音が遠くなるにつれそろそろ板敷の方へ出て、後姿を見上げた。登りきった踊場のところで、母親がひょいと振返って下にいる百代を見下した。百代は、思わず瞬き....
赤い貨車」より 著者:宮本百合子
をのぼって行った。足音が、夜のコンクリートの壁に反響した。小さい夜間電燈が各階の踊場についているだけであった。 「ごらんなさい、リザ・セミョンノヴナ、こわいでし....
道づれ」より 著者:宮本百合子
立つ片手を毛皮の襟巻の端にもち添え、おくれて同じ店に入った。 中央にゆるやかな踊場のついた大階段があった。その右手に金釘のどっさり打たれたワードロオブ・トラン....
道標」より 著者:宮本百合子
きのとおりちゃんと表戸をしめた。コンクリートのむき出しの階段には、それぞれの階の踊場に燭光の小さいはだか電燈がついているぎりで、しめきられたアパートメントのいく....
罌粟の中」より 著者:横光利一
、音楽もウイーン風の庭に似合わしいのが、爽爽しい気持ちだった。 「今夜はひとつ、踊場を御案内いたしましょう」とヨハンは、料亭を出たとき珍らしく梶に云った。 そ....
旅愁」より 著者:横光利一
つつ山から下の遊び場の方へ降りていった。 パリではモンマルトルの麓に一番高級な踊場が沢山ある。その中の一二を争う家を選んで三人は中へ這入った。メイゾン・ルージ....
千早館の迷路」より 著者:海野十三
揃って予告なしに突然このキャバレから足を引いたことであり、しかも彼等は帝都の他の踊場にも全然姿を見せないとのことだった。そしてそのキャバレでは、田川勇が今にも姿....
茶色っぽい町」より 著者:宮本百合子
ぎ立てる。麻雀は彼等を籠絡して、可愛い眉太男を守らなければならない。そこで二階の踊場へ姿を現すと、愕然として、麻雀は自分が麻雀だったのを思い出したらしい。さて、....
又、家」より 著者:宮本百合子
が引けると、天気さえよければ、うちの板塀の外の一隅で遊び始める。下へ降りる段々の踊場とでも云うべき一坪程の平らな場所から、ずっと、自分等の家の屋根、彼方此方の二....
外来語所感」より 著者:九鬼周造
根岸盆踊」という広告が方々に貼ってあった。やがて広場に出ると囃子のやぐらや周囲の踊場が提燈や幕で美しく飾られていた。踊はまだ始まっていなかったが老若男女がかなり....
ドーヴィル物語」より 著者:岡本かの子
もなるのよ。 小田島は彼女の顔をあらためて見た。彼が三年前彼女と巴里の共和祭の踊場で知り合って以来、彼女は随分職業を変えた。ジャン・パトウのマネキン娘。愛犬倶....
上海」より 著者:横光利一
自分の美しい容貌の変化を思い出した。彼はすぐ引き返すと、車を呼び寄せて宮子のいる踊場の方へ走らせた。 ――もし宮子が結婚しないといえば、いや、何に、そのときは....
ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
たってなんにもなりゃしないわ。 きっとわたしには構わないで、お前と並んで歩いて、踊場へ行けば、お前とばかし踊るのだから。 お前が面白くったって、わたしにはなんに....