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踏切
「踏切〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
踏切の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「寒さ」より 著者:芥川竜之介
いて行った。
石炭殻《せきたんがら》などを敷いた路は爪先上《つまさきあが》りに
踏切りへ出る、――そこへ何気《なにげ》なしに来た時だった。保吉は
踏切りの両側《り....
「白」より 著者:芥川竜之介
《しじっぷん》、奥羽線上《おううせんのぼ》り急行列車が田端駅《たばたえき》附近の
踏切《ふみきり》を通過する際、
踏切番人の過失に依《よ》り、田端一二三会社員|柴山....
「吉原新話」より 著者:泉鏡花
と手巾へ唾を吐いて、 (車賃は払っておくよ。) で、フイと分れたが、さあ、
踏切を越すと、今の車はどこへ行ったか、そこに待っている筈のが、まるで分らない。似....
「省線電車の射撃手」より 著者:海野十三
間に爆音をきいたという人間が三人ばかり現れた。そのうちの一人は、現場に割合い近い
踏切の番人だったが、丘陵にひびくほど相当大きい音だったという。但し発砲の音という....
「人造人間の秘密」より 著者:海野十三
隧道の中に、十本の貨物列車が入っていくのを数えた人があるのに、隧道を出た向こうの
踏切番は、いや十本の貨物列車なんて、うそだ。八本だといって、きかないのであった。....
「火星兵団」より 著者:海野十三
らない十二、三歳の少年が、電車にはねとばされそうになった小学校一年生の女生徒を、
踏切で助けようとして自分がはねとばされ、重傷を負いました。これは小田急沿線登戸附....
「人造人間エフ氏」より 著者:海野十三
待ちよ」 正太は、二人のあとをおいかけた。畑道をかけくだってゆくと、郊外電車の
踏切があった。マリ子を背負った怪少年は、
踏切をとぶように越していった。正太はあと....
「空襲警報」より 著者:海野十三
――これを実際にやってのけたのだから、日本の鉄道の人たちは天晴なものだった。
踏切や町かどの交通整理を引受けて、働いた青年団員も、実に偉かった。 「おどろきま....
「軍用鼠」より 著者:海野十三
。 その国境線を間に挿んで両側に、それぞれの国の材料で作ったそれぞれの形をした
踏切の腕木のようなものがある。国境線上を通過する者があるたびに、この二つの腕木が....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
を踏倒す、海嘯だ、と喚きましょう。 その立廻りで、何かの拍子にゃ怪我もします、
踏切ったくらいでも、ものがものですから、片足切られたほどに思って、それがために寝....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
の上の読初め、霜月十日あまりの初夜。中空は冴切って、星が水垢離取りそうな月明に、
踏切の桟橋を渡る影高く、灯ちらちらと目の下に、遠近の樹立の骨ばかりなのを視めなが....
「沼夫人」より 著者:泉鏡花
にも障らなくなりましたよ。) と嬉しそうに見えて、 (どちらへ?)と聞く。 (
踏切の方へ行って見ましょう。水が出たそうですから。) 百姓家二三軒でもう畷だが....
「蜜柑」より 著者:芥川竜之介
は、もう安々と隧道を辷りぬけて、枯草の山と山との間に挟まれた、或貧しい町はずれの
踏切りに通りかかっていた。
踏切りの近くには、いずれも見すぼらしい藁屋根や瓦屋根が....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
く、お庇だ。お洲美さん。」 「旦那、どうか、なさいましたか、旦那。」 「うむ。」
踏切の坂を引あげて、寛永寺横手の暗夜に、石燈籠に囲まれつつ、轍が落葉に軋んだ時、....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
方は覚悟があるから、 (谷中なら、墓原の森の中を根岸で下りる、くらがり坂が可い。
踏切の上の。あすこいらで、笹ッ葉の下へでも隠れておいで。) こりゃ、それ、今も....