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踏掛
「踏掛〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
踏掛の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「文七元結」より 著者:三遊亭円朝
「へえ…真平《まっぴら》御免なさいまし」 長「何んだお前《めえ》は、足を欄干へ
踏掛《ふんが》けて何《ど》うするんだ」 男「へえ」 長「身投げじゃアねえか、....
「根岸お行の松 因果塚の由来」より 著者:三遊亭円朝
でも宜《よ》い、が、其の大金を取って横山町《よこやまちょう》の横と云う字にも足は
踏掛《ふんが》けまいと誓った伊之助が、若の許へ来て逢引をしては済むまいナ」 勝....
「真景累ヶ淵」より 著者:三遊亭円朝
。
新「あゝ因縁は恐しいもの、三年|跡《あと》にお園を殺したも押切、今又押切へ
踏掛けてそのために己《おれ》が縄に掛って引かれるとは、お園の怨《うらみ》が身に纒....
「星あかり」より 著者:泉鏡花
く縮まって居る。町を離れてから浪打際まで、凡そ二百歩もあった筈なのが、白砂に足を
踏掛けたと思うと、早や爪先が冷く浪のさきに触れたので、昼間は鉄の鍋で煮上げたよう....
「斜坑」より 著者:夢野久作
の環から外れたので、四台の炭車が繋がり合ったまま逆行して来て、丁度、福太郎が足を
踏掛けていた曲線の処で、折重なって脱線顛覆したもので、さもなければ福太郎は、側圧....
「敵討札所の霊験」より 著者:三遊亭円朝
溜らぬと思いましたから、土間へ駈下りて、後から一刀婆に浴せかけ、横倒れになる処を
踏掛ってとゞめを刺したが、お梅は畳の上へ俯伏になって、声も出ませんでぶる/\慄え....
「雁坂越」より 著者:幸田露伴
がて立止まったかと見えるばかりに緩く緩くなったあげく、うっかりとして脱石に爪端を
踏掛けたので、ずるりと滑る、よろよろッと踉蹌る、ハッと思う間も無くクルリと転って....
「革鞄の怪」より 著者:泉鏡花
導いたのであるが、そこから、も一ツつかつかと階子段を上って行くので、連の男は一段
踏掛けながら慌しく云った。 「三階か。」 「へい、四階でございます。」と横に開い....
「縷紅新草」より 著者:泉鏡花
うつむき態に片袖をさしむけたのは、縋れ、手を取ろう身構えで、腰を靡娜に振向いた。
踏掛けて塗下駄に、模様の雪輪が冷くかかって、淡紅の長襦袢がはらりとこぼれる。 ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
を肩に担いで、足と身体で調子を取って上ろうとする心だけが逸《はや》って、岩に足を
踏掛けると足がツルリと辷《すべ》りました。 「あっ、苦しい」 またも二間ばかり....
「霧陰伊香保湯煙」より 著者:三遊亭円朝
牝馬で、大概往復して居るから大丈夫で、ヘエ」 由「いゝかえ」 馬「さア其処え足イ
踏掛けちゃア馬の口が打裂けて仕舞う、踏台持って来てあげよう……尻をおッぺすぞ」 ....
「沼夫人」より 著者:泉鏡花
で出たが、跨いだ足が、そう苦なしには大穴から離りょうとはせぬので、地獄から娑婆へ
踏掛けた体で、独で※いて、どたんばたん、扉の面と、や、組んだりける。 この物音....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
か。 聾ひがみの向腹立が、何おのれで、渡をききも、尋ねもせず、足疾にずかずかと
踏掛けて、二三間ひょこひょこ発奮んで伝わったと思うと、左の足が、ずぶずぶと砂に潜....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
います。――故郷の一本松の上り口にそっくりです。 段の数はあるが、一も二もなく
踏掛けた。 あたりに人ッ子一人なし、雨はしきる、相合傘で。 「――いよいよ道行....
「鴎外博士の追憶」より 著者:内田魯庵
た開拓者ではあったが、決して大成した作家ではなかった。 が、考証はマダ僅に足を
踏掛けたばかりであっても、その博覧癖と穿鑿癖とが他日の大成を十分約束するに足るも....