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踏板
「踏板〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
踏板の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「白蟻」より 著者:小栗虫太郎
間の入口にかけて二回往復し、それから四分ほど過ぎると、土間の右から数えて五番目の
踏板から下に降りて、そこの土の窪みだけを踏み、揚戸《あげど》を開きにゆくといった....
「坑夫」より 著者:夏目漱石
っと、出ろ」 と初さんが後から催促する。自分は躊躇《ちゅうちょ》した。これでさえ
踏板が外《はず》れれば、どこまで落ちて行くか分らない。ましてもう一尺前へ出れば、....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
、露天に据えてある。水に強いと云う桂の径二尺余の刳りぬき、鉄板を底に鋪き、其上に
踏板を渡したもので、こんな簡易な贅沢な風呂には、北海道でなければ滅多に入られぬ。....
「一本の花」より 著者:宮本百合子
振り返り、 「私の方も見て下さい、そりゃ私、骨を折っているんですよ」 渡廊下の
踏板を越えながら云った。 「みんな若い人達ばかりで、ただおとなしく四時まで遊ばし....
「私の覚え書」より 著者:宮本百合子
、揺れが劇しいので、到底足を下せたものではない。田舎の階子段は東京のと違い、ただ
踏板をかけてあるばかりなので、此処に下そうとするとグラグラと揺れ、後の隙間から滑....
「日輪」より 著者:横光利一
何処へ置くか。」 「旅の女よ、爾は爾の夫を何処へ置くか。」 その時、急に高縁の
踏板が、馳け寄る荒々しい響を立てて振動した。人々は入口の空間に眼を向けると、そこ....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
下で杖をついて、それからあの有名な眼尻の皺と同伴でしじゅう外出していた。自動車の
踏板へ片足をかけたところで「|どうぞ!」と呼びかける写真班へは、彼は常に選挙民の....
「キャラコさん」より 著者:久生十蘭
に、曇り日の朝日が、ぼんやりした薄い陽だまりをつくっている。 キャラコさんは、
踏板《ペダル》を踏んで、そっと鍵盤を押してみた。 オルガンは、ぶう、と気のめい....
「夏の町」より 著者:永井荷風
がた》と相交って幾枚となく川風に飜っている。其処《そこ》から窓の方へ下《おり》る
踏板の上には花の萎《しお》れた朝顔や石菖《せきしょう》やその他の植木鉢が、硝子《....
「おりき」より 著者:三好十郎
方を見ても、へえ、唐松林と山ばっかりでな、(麦束を取って、片足でシッカリと千歯の
踏板を踏んで、麦の穂をこき落しはじめる) 青年 はあ、……(おかしさが止らず、声....