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「踏襲〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

踏襲の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
の成語は支那人の作ったものである。それを日本人の用うるのに必ずしも支那人の用法を踏襲しなければならぬと云う法はない。もし通用さえするならば、たとえば、「彼女の頬....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
んだんに堕落するようになったのである。 ギリシアの宇宙開闢説はローマ人によって踏襲されたが、しかしそのままで著しい発展はしなかった。オヴィドがその著メタモルフ....
金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
多少の推移があった。鼎造は死んで、養子が崖邸の主人となり、極めて事業を切り縮めて踏襲した。主人となった夫は真佐子という美妻があるに拘らず、狆の様な小間使に手をつ....
老中の眼鏡」より 著者:佐々木味津三
少くも覚悟しておかねばならない敵は三つあるのだ。自分が井伊大老の開港政策を是認し踏襲しようとしているために、国賊と罵り、神州を穢す売国奴と憤って、折あらばとひそ....
愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
そのゼームスが自己の認識論の立脚点をプラグマチズムと名づけたのはピアースの用語を踏襲したのであって、それまでは Radical empiricism と呼んだの....
すり替え怪画」より 著者:海野十三
リザ」を盗み出し、多数の模写を作って大儲けした賊ジョージ・デーンの手法と技術とを踏襲しているのだった。つまり或る薬液があって、それを画面にかけると、後から塗った....
万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
かおぼすべきなり」とあるなどは寓意説に溺れたものである。(檜嬬手も全く略解の説を踏襲している。) ○ 旅にしてもの恋しきに山下の赤のそほ船....
私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
より買物をなしつつあるのである。かく屋号は大切なものであるから、なるべく旧屋号を踏襲して得意を散逸せしめず、充分商業の呼吸を呑み込んだ上で、徐々改正を施すのが最....
余裕のことなど」より 著者:伊丹万作
張が足りないとかいつて攻撃する。 攻撃される側ではつい世間なみに外面緊張形式を踏襲してあえて逆らわないように心がけるため、余裕の精神はますます視野から亡び去つ....
神経」より 著者:織田作之助
私は興冷めしてしまった。新機軸を出そうとした放送員は、芸もなく昔の野球放送の型を踏襲していたに過ぎなかったのだ。 新機軸というものはむつかしい。世に新しいもの....
回想録」より 著者:高村光太郎
いる例である。お顔と衣紋は様式的に全く違う。御|身躯は漢魏式の決りきったやり方を踏襲しているが、お頭や手は丸で生きている人を標準にして刻んで附けている。法隆寺金....
美の日本的源泉」より 著者:高村光太郎
る点に於て一歩先んじるようになるのは当然であるかもしれぬが、彫刻に於てはその様式踏襲の間にまがう方もなく日本的特質として現れて来る第一のものがまず仏像の骨相であ....
役者の一生」より 著者:折口信夫
うものが、田之助の死後までも世人は繰り返させようとしたのであって、源之助がそれを踏襲してその穴をうめるのは当然の勢いのようになっていた。で「廓怪談敷島物語」だの....
京鹿子娘道成寺」より 著者:酒井嘉七
然は、つねに舞台でくりかえすことは、勿論のこと、不可能でございますから、この型を踏襲されていた江戸役者の方々は後見にいい付けて後にはねた烏帽子をわざわざ綱にかけ....
八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
らそれからして一行も書いてない。水軍の策戦は『三国志』の赤壁をソックリそのままに踏襲したので、里見の天海たる丶大や防禦使の大角まで引っ張り出して幕下でも勤まる端....