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「蹄鉄〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

蹄鉄の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
馬の脚」より 著者:芥川竜之介
まあ、災難《さいなん》とお諦《あきら》めなさい。しかし馬の脚は丈夫ですよ。時々|蹄鉄《ていてつ》を打ちかえれば、どんな山道でも平気ですよ。……」 するともう若....
カインの末裔」より 著者:有島武郎
いろり》の根粗朶《ねそだ》がちょろちょろと燃えるのが見えるだけだった。六軒目には蹄鉄屋《ていてつや》があった。怪しげな煙筒からは風にこきおろされた煙の中にまじっ....
まざあ・ぐうす」より 著者:北原白秋
がたみ》一つ買《こ》うてくりょ。 お釘《くぎ》がへれば お釘《くぎ》がへれば、蹄鉄《かなぐつ》うせる。 蹄鉄《かなぐつ》へれば、 おうまがうせる。 おうまがへ....
恐怖城」より 著者:佐左木俊郎
た。身近くその尻っぺたへ一撃を受けて、花房は習慣的にぽんと蹴上《けあ》げた。その蹄鉄《ていてつ》が浪岡の膝に入った。浪岡は驚いて花房の周囲をぐるぐると駆け回った....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
で大きな声をする人があるので、わたしも気がついて見あげると、名に負う第一の石門は蹄鉄のような形をして、霧の間から屹と聳えていました。高さ十|丈に近いとか云います....
」より 著者:黒島伝治
反感を口に表わさず、別の理由で金を出してもこちらの要求に応じようとはしなかった。蹄鉄の釘がゆるんでいるとか、馬が風邪を引いているとか。けれども、相手の心根を読ん....
パルチザン・ウォルコフ」より 著者:黒島伝治
からさめたばかりだった。 森の樹枝を騒がして、せわしい馬蹄の音がひびいてきた。蹄鉄に蹴られた礫が白樺の幹にぶつかる。馬はすぐ森を駈けぬけて、丘に現れた。それに....
シベリヤに近く」より 著者:里村欣三
さで、青草の茫寞たるはてにまぎれ込んでいた。 乗馬は馬首をならべて、黙々とその蹄鉄のひびきに、岱赭色の土煙をぽかぽかと蹴たてながら忍耐強い歩みを続けていた。 ....
二つの短い話」より 著者:ケネディパトリック
の革船と呼ばれている山の廻りを騎り廻します。太守がいなくなった時、その軍馬の銀の蹄鉄は半|吋の厚さがありました。この銀の蹄鉄が猫の耳ほどの薄さにすり減ればジェラ....
氷河」より 著者:黒島伝治
の丘へ燈火をつけない橇が凍った雪に滑桁をきし/\鳴らせ、線路に添うて走せてきた。蹄鉄のひゞきと、滑桁の軋音の間から英語のアクセントかゝったロシア語が栗本の耳にき....
接吻」より 著者:神西清
曹長を相手にしゃべっていた。 「まだ何かあるか?」と中隊長がどなった。 「昨日の蹄鉄打換えの際、中隊長殿、小鳩号の蹄を傷つけました。軍医補が醋酸を加えた粘土をつ....
キリストのヨルカに召された少年」より 著者:神西清
をはく馬の鼻からも、こおった湯気がふうふうたっている。かさかさした雪をふみしだく蹄鉄が、敷石にあたって鳴りわたる。みんな、おしあいへしあいのありさまだ。だが、何....
国境」より 著者:黒島伝治
部分部分が白く、きらきらと光っていた。 また、きしきしという軋りが聞えて、氷上蹄鉄を打ちつけられた馬が、氷を蹴る音がした。 「来ているぞ。また、来ているぞ」 ....
ワーニャ伯父さん」より 著者:神西清
、うちの馭者が、水を飲ませに連れて行く時から、気がついていたんだがね。 ワーニャ蹄鉄を打ち直すんだね。 アーストロフ ロジジェストヴェンノエ村で、鍛冶屋に寄って....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
飾りや軒飾りなども単純で、いかにもまた雪の深い樺太の情趣を忍ばせるものであった。蹄鉄、長柄の鎌、フオク、斧、鉈の類がその土間には放り出されてあった。 日の光が....