» 蹲む

「蹲む〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

蹲むの前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
婦系図」より 著者:泉鏡花
るものかね。」 「だって、ねえ、めのさん。」 とお源は袖を擦抜けて、俎板の前へ蹲む。 「それじゃ御新造かね。」 「そんなお銭はありやしないわ。」 「じゃ、おか....
露肆」より 著者:泉鏡花
小造りなのが立ったと思うと、 「大福餅、暖い!」 また疳走った声の下、ちょいと蹲む、と疾い事、筒服の膝をとんと揃えて、横から当って、婦の前垂に附着くや否や、両....
吉原新話」より 著者:泉鏡花
の鼻、婆々の逆眉毛。気味の悪いのは、三本指、一本脚。 厠を覗く尼も出れば、藪に蹲む癖の下女も出た。米屋の縄暖簾を擦れ擦れに消える蒼い女房、矢絣の膝ばかりで掻巻....
世間師」より 著者:小栗風葉
考えものだ。そこで、私は町の中部のかなり賑かな通へ出て、どこか人にも怪まれずに、蹲むか腰掛けかする所をと探すと、ちょうど取引会所が目についた。盛んに米や雑穀の相....
血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
れが、こんな堰に浮いているとは不思議だと、栞は、しばらく刀箱を見ていたが、やがて蹲むと、刀箱を引き上げた。箱からしたたるビードロのような滴を切り、彼女は、両手で....
女の首」より 著者:田中貢太郎
を待ちかねていたという容であった。 新吉はみょうな笑方をしながらその横手へ来て蹲むようにした。 「媽さん、頼みたいことがあるがね」 お媽さんもみょうな笑方を....
日輪」より 著者:横光利一
一度した。 「卑弥呼、我は兄を殺した。爾は我の妻になれ。」 反絵は卑弥呼の傍へ蹲むと、荒い呼吸を彼女の顔に吐きかけて、彼女の腰と肩とに手をかけた。しかし、卑弥....