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「蹴る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

蹴るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
馬の脚」より 著者:芥川竜之介
、スペイン速歩《そくほ》とか言う妙技を演じ得る逸足《いっそく》ならば、前脚で物を蹴るくらいの変り芸もするか知れず、それとても湯浅少佐《ゆあさしょうさ》あたりが乗....
地球発狂事件」より 著者:海野十三
のような幽鬼の形相から脱《のが》れたいと思った。そのために彼は、隣の化粧室の扉を蹴るようにして中へ飛び込んだ。 水をじゃあじゃあと出して、顔をごしごし洗った。....
自叙伝」より 著者:大杉栄
とが心配そうな顔つきをして向い合っていた。 「この頃お前学校で誰かの肩をなぐるか蹴るかしやしないか。」 父が厳かに、しかし不安そうに、尋ね出した。父の顔には太....
日本脱出記」より 著者:大杉栄
奴等は半分は前から僕を引きずりおろしながら、そして半分はうしろから僕をなぐるやら蹴るやらして、ある建物の中に押しこんだ。そこは同じセン・ドニの、ただ南北の区の違....
続獄中記」より 著者:大杉栄
れで油っ気なしの食物でいるのだから、とても堪るものではない。 体操をやる、壁を蹴る。壁にからだを打つける。運動に出れば、毎日三十分ずつ二回の運動時間をほとんど....
未来の地下戦車長」より 著者:海野十三
《しん》ちゃんなんか。信ちゃんは、ねぐるいの名人で、ひとの腹でも何でも、ぽんぽん蹴るというから、おれはいやだよ」 「そんなこと、うそだい。その代り、僕、二郎ちゃ....
ヒルミ夫人の冷蔵鞄」より 著者:海野十三
かに赤い血がかッとのぼってきた。 「――素晴らしい着想だわ」 夫人は床をコンと蹴ると、発条仕掛の人形のように、石油箱から飛びあがった。そして傍に脱ぎすててあっ....
浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
非番の者にちがいないが、ぐでんぐでんに酔払ったり、その揚句のはてに呶鳴ったり打つ蹴るの激しい喧嘩をやっている者もある。 まるで裏|街みたいなところもある。 ....
木の子説法」より 著者:泉鏡花
く通筋の板敷に席を取ったのだから堪らない。膝の上にのせれば、跨ぐ。敷居に置けば、蹴る、脇へずらせば踏もうとする。 「ちょッ。」 一樹の囁く処によれば、こうした....
南地心中」より 著者:泉鏡花
東海道で富士を視めるように、あの、城が見えたっけ。 川蒸汽の、ばらばらと川浪を蹴るのなんぞは、高櫓の瓦一枚浮かしたほどにも思われず、……船に掛けた白帆くらいは....
多神教」より 著者:泉鏡花
りたるを片手に高く、片手に鉄槌を翳すと斉しく、威丈高に突立上り、お沢の弱腰を※と蹴る)汚らわしいぞ! 罰当り。 お沢 あ。(階を転び落つ。) 神職 鬼畜、人外、....
坑鬼」より 著者:大阪圭吉
んで行った炭車を飛び退くようにして、立ちはだかった男の腕の中へ、お品は炭車の尻を蹴るようにして水々しいからだを投げかけて行った。投げかけて抱かれながら、お品は夢....
決闘場」より 著者:岡本かの子
た。声をも立てられなかったのに、其処には劇しい騒音があった。 アイリスは、地を蹴る乱雑な響に腹底をいたぶられた。二人の交互に鼻血を啜る音を聞いた。猛獣の荒々し....
三枚続」より 著者:泉鏡花
放り出した。 愛吉は足も立たず、腰も立たず、のめッているのを、いや、踏むやら、蹴るやら。これを笑いずてに尻をまくった鯰の伝六を真先に、若者の立去ったあとで、口....
まあまあ居士の弁」より 著者:浅沼稲次郎
守るという学生的情熱でやったんだから書けない」と断った。それからは、殴る、打つ、蹴るで、瀕死の状態に陥ってしまったが遂に謝り状は書かずに朝迄頑張ってコブだらけの....