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蹴合
「蹴合〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
蹴合の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
でこの談判を面白そうに聞いている。鉄枴仙人《てっかいせんにん》が軍鶏《しゃも》の
蹴合《けあ》いを見るような顔をして平気で聞いている。
悪口《あっこう》の交換で....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
と思ったが顔色も変えない、折竹にはルチアノも弱ったらしい。 「ご免なすって。牝の
蹴合鶏みたいな阿魔なんで、とんだことを言いやして。とにかく、この問題はお考え願っ....
「石狩川」より 著者:本庄陸男
そうじゃア無えか、半ぱもの――このまま帰れるかどうか、おい」
肩をせりあげて、
蹴合うおん鶏のようにじりじりと近よって来た。
「だまって帰れ」
「なんだ、と」
....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
ている。 向日葵と白蓮とが、血を含んで陽の中にふるえているようだ。 とうとう
蹴合った。つづけざまに二回。しかし、二回とも地鶏の歩が悪かった。次郎は思わず腰を....
「一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
されるのはまことに頼もしい限りです。 元来軍鶏は喧嘩鶏といって、絶えず仲間同志
蹴合いをする特異性を持っていますが、喧嘩に勝った鶏は揚々として首を高くもたげて四....
「蜘蛛の夢」より 著者:岡本綺堂
すっかりやんでしまいまして、幕末になってぼつぼつとはやり出しました。つまり軍鶏の
蹴合いなどと同じことで、一種の賭博に相違ありませんが、軍鶏は主に下等の人間の行な....
「キャラコさん」より 著者:久生十蘭
こちらでは、陽気なピロちゃんが、筏につかまったまま、絵の上手なトクさんと足で
蹴合《けあ》いをしている。詩人の芳衛さんが、ニコニコ笑いながら、上品な傍観者の態....
「藤十郎の恋」より 著者:菊池寛
しきっていた。 歌舞伎の長者として、王者のように誇を、持っていた藤十郎の心も、
蹴合せに負けた鶏のように悄気きってしまっていた。彼が、座を立った為に、上からの圧....
「詩劇「水仙と木魚」」より 著者:三好十郎
ら 金や貸借のカタに受取ったものだと隣りでは言う 隣りの内の先代というのが 鶏の
蹴合いバクチの好きな男で ホントのバクチも打ったらしい そこへ野村という大地主が....