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蹶起
「蹶起〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
蹶起の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「水害雑録」より 著者:伊藤左千夫
一人の若い衆は起きられないという。一人は遊びに出て帰って来ないという。自分は
蹶起して乳搾りに手をかさねばならぬ。天気がよければ家内らは運び来った濡れものの仕....
「空中墳墓」より 著者:海野十三
見かけた者があるが、それっきり消息を断ってしまった、というのでしたね。各新聞社の
蹶起を先頭として続々大仕掛けの捜査隊が派遣せられ、凡そ一年半近くも蒙古、新疆、西....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
ときは言わないのか。長年言い古され、すでにうるさいほど指摘された官軍民一体化|総
蹶起のガンはここにあると言わざるを得ない。 十二月二十九日 ◯きのう岡東夫人が....
「工場細胞」より 著者:小林多喜二
」が緊急に開かれた。それはこの場合二つの意味をもっていた。――運輸労働者が一斉に
蹶起したとしても、Y市の「工場労働者」がその闘争の外に立つことは、他の何処の市で....
「土鼠と落盤」より 著者:黒島伝治
、坑夫は、タガネと槌を鉱山主に向って振りあげた。アメリカでも、イギリスでも坑夫は
蹶起しつゝあった。全世界に於て、プロレタリアートが、両手を合わすことをやめて、そ....
「鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
いものだった。 今夜の行動は、帆村の示唆《しさ》するところに従って、田鍋課長が
蹶起《けっき》したという形になっていたが、実のところ課長としては何等自信のあるこ....
「宇宙戦隊」より 著者:海野十三
いで安心していては、間もなくミミ族のために、簡単にたべられてしまいますよ。さあ、
蹶起してください」....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
て、衝と縁側に出た、滝太郎はすっくと立った。しばらくして、あれといったが、お雪は
蹶起きようとして燈を消した。 「周章てるない、」といって滝太郎は衝と戻って、やに....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
けねばならぬ時代も到着する。見よ、その時、この隠れたる神の児達が、大地の下層より
蹶起して、自己の体得し、又体験せるところを、堂々と証言するであろう。最初は細き谷....
「一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
ある人々これを憂い、饅頭の中に回章を秘めて同志の間に配布し、八月十五日の夜志士ら
蹶起して喇嘛僧を鏖殺し、僅かに生き残った者は辛うじて蒙古に逃れ、支那には全く跡を....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
、ラジオにせよ、その報道の中に、たえす塾生たちを困惑させた一事があった、それは「
蹶起部隊」とか、「行動部隊」とか、あるいは「占拠部隊」とかいう言葉が使用され、三....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
から源氏の諸豪族が起こった。秩父庄司、畠山重忠、熊谷次郎直実等、いずれも武蔵から
蹶起した武将だ。……がわしにかかわる事件は、もっと昔に遡らなければならない。……....
「瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
内の有様を察すれば所在の不平士族は日夜、剣を撫して官軍の勢、利ならずと見るときは
蹶起直に政府に抗せんとし、すでにその用意に着手したるものもあり。 また百姓の輩....
「子規居士と余」より 著者:高浜虚子
うちに、 「清さん清さん。」という声が聞こえた。その声は狼狽した声であった。余が
蹶起して病床に行く時に妹君も次の間から出て来られた。 その時母堂が何と言われた....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
が対露戦争につき真に深刻にその本質を突き止めていたなら、あるいは却ってあのように
蹶起する勇気を出し得なかったかも知れぬ。それ故にモルトケ戦略の鵜呑みが国家を救っ....