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「躁狂〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

躁狂の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
百物語」より 著者:森鴎外
言えば、百物語の催主が気違|染《じ》みた人物であったなら、どっちかと云えば、必ず躁狂《そうきょう》に近い間違方だろうとだけは思っていた。今実際にみたような沈鬱《....
吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
である。何も寒月君に恩になったと云う訳もないが、これはただに個人のためにする血気躁狂《けっきそうきょう》の沙汰ではない。大きく云えば公平を好み中庸を愛する天意を....
琴のそら音」より 著者:夏目漱石
に入《い》る。陽気な声を無理に圧迫して陰欝《いんうつ》にしたのがこの遠吠である。躁狂《そうきょう》な響を権柄《けんぺい》ずくで沈痛ならしめているのがこの遠吠であ....
縮図」より 著者:徳田秋声
西の資本によって、大規模の展開を見せ、銀座がネオンとジャズで湧き返るような熱鬧と躁狂の巷と化した時分には、彼の手も次第にカフエにまで延び、目星しい女給で、その爪....
めでたき風景」より 著者:小出楢重
を歩いていたに違いない。 この昂奮状態も人によっては憂鬱性となって現れる人と、躁狂性となる人とがある。私などは憂鬱性であったらしい。 憂鬱の方は妙に日本が恋....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
その最も弱点を暴露した時なんだが、人間はかえって、充実と沈黙を怖れないで、活動と躁狂、宣伝とカモフラージュとに恫喝《どうかつ》される。笑止! お化けだってそう....
茶の湯の手帳」より 著者:伊藤左千夫
れに換うるにこれを以てせば、いかばかり家庭の品位を高め趣味的の娯楽が深からんに、躁狂卑俗蕩々として風を為せる、徒に華族と称し大臣と称す、彼等の趣味程度を見よ、焉....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
度をしているとかということです」 「あっ!」と三人は、あっ気にもとられたが、また躁狂として、一刻も早く、万吉とお綱の道をくい止め、弦之丞と合しぬうちに、非常手段....
三国志」より 著者:吉川英治
には、すでに人材が整うています。一羽の馴れない鶏を入れたために、鶏舎の群鶏がみな躁狂して傷つく例もありますから、よほど考えものです。むしろ二人を山東へやって、山....
三国志」より 著者:吉川英治
二万余騎を、穀倉守備軍として急派した。 この淳于瓊というのは、生来の大酒家で、躁狂広言のくせがある人物だったから、その下に部将としてついて行った呂威、韓筥子、....