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「躊躇い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

躊躇いの前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
小公女」より 著者:菊池寛
」 「すぐ『御免なさい』といったらいいだろう。」 セエラは答える前に、ちょっと躊躇いました。 「笑ったのが失礼でしたら、私あやまりますわ。でも、考えごとをして....
五重塔」より 著者:幸田露伴
すほど嬉しからず、時刻になりて食う飯の味が今さら異れるではなけれど、箸持つ手さえ躊躇いがちにて舌が美味うは受けとらぬに、平常は六碗七碗を快う喫いしもわずかに一碗....
黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
ぼれた白山小桜の花が、若草の野に立って歌を謡っている少女の頬のように美しい。私は躊躇いながら其一片を摘んでそっと口にあてた。 俯目になって登って行くと、不意に....
フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
が出たにしましても、この人のまったくの無罪を信じきっていると申しあげますことに、躊躇いたしません。あんなことをするほど誘惑を感じさせたものはなかったのでこざいま....
水晶の栓」より 著者:新青年編輯局
たので、すぐ、この事を打ち開ければ、間違いも起らずに済んだのでしょうが、真の恋は躊躇い、怖れるかと申しまして、私も確とした意見も言わず、あやふやに過して参りまし....
初恋」より 著者:矢崎嵯峨の舎
ついた。もウ棄ててはおかれぬ、そッと隣座敷まで往ッてはいろうか、はいるまいか、と躊躇いながら客座敷の様子を伺うと、娘は面白そうにしきりに何か話していた。自分のこ....
民芸とは何か」より 著者:柳宗悦
。人々は何を作り何を描くかをすら忘れて手を動かしています。そこにはもはや技術への躊躇いがなく、意識への患いがないのです。この繰り返しこそは、すべての凡人をして、....
大岡越前」より 著者:吉川英治
っ、左右太。早くっ、早く召捕れ」 「えい、おぬしこそ、なぜ捕えぬ」 たがいに、躊躇い、たがいに譲り合っているような、ふしぎな声が、番屋と橋の間の木蔭に聞えた。....