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躓き
「躓き〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
躓きの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「活人形」より 著者:泉鏡花
て遁出すを、遣らじものを。とこの度は洋燈を片手に追懸けて、気も上の空何やらむ足に
躓き怪し飛びて、火影に見ればこはいかに、お藤を連れて身を隠せしと、思い詰めたる老....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
声が出ました。 「あれ、奥様。」 女中が飛出す。 お洲美さんは、式台に一段|
躓きながら、褄を投げて、障子の桟に縋ったのでした。 ぶつぶつと、我とも分かず、....
「第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
きながら、俊吉は向い合いもせず、置炬燵の同じ隅に凭れていた。 内へ帰ると、一つ
躓きながら、框へ上って、奥に仏壇のある、襖を開けて、そこに行火をして、もう、すや....
「多神教」より 著者:泉鏡花
に厩の方、右手もみじの中にかくる。この一気に、尾の煽をくらえる如く、仕丁、ハタと
躓き四つに這い、面を落す。慌てて懐に捻込む時、間近にお沢を見て、ハッと身を退りな....
「画筆に生きる五十年」より 著者:上村松園
をすてたらもう駄目です。己れの弱気に克って信念を強め、どうしたらよくなるか、この
躓きはどこから来たかと粘り強く研究して行きます。スラスラでき上がったものより、途....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
遣られる。よしやが誘う。衆生心の無念が忽ちに動く。坊ちゃんはよしやに跟いて、石に
躓きながら駈けて出る。 「そうだ。これが忽然念起だ。」 頭のなかを、そんな考が....
「俊寛」より 著者:菊池寛
かり引返した。彼は、昼間そこを走ったとき、榕樹が五、六本生えていて、その根に危く
躓きそうになったのを覚えていた。彼の濁ってしまっている頭の中でも、榕樹の周囲を探....
「仇討姉妹笠」より 著者:国枝史郎
をおつけ! 背後から!」 瞬間に主税は地へ仆れた。 「あッ」 その主税の体へ
躓き、背後から切り込んで来た一人の武士が、こう叫んで主税のからだ越しにドッとばか....
「銀三十枚」より 著者:国枝史郎
い。お前達も帰って監視しろ」 ついに三人をさえ追い払った。 イエスはよろめき
躓きながら、一人奥へ入って行った。 と、林が立っていた。楊、橄欖の林であった。....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
られ、眼眩みながら薮の裾を、右手へわずか廻り込もうとした時、天運尽きたか木の根に
躓き、横倒れにドッと倒れた。 「くたばれ!」 シ――ンと切り下した! 11 ....
「血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
喜代三は、染八の死骸が、片手を脇差しの柄へかけたまま、自分の前へ転がって来たのに
躓き、夢中で両手を上げて、そう叫んだ。しかし誰も来ない以前に、左門の刀が、胴から....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
っていないならば、あの作と一燈園との縁はないといってもよい。むしろ一燈園の生活の
躓きとなるばかりである。一燈園がこのたびの上演の主催者になってくださったというこ....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
けた、
赤い月が升って来て、怪しげな道の
照しようをするので、一足毎に
木や石に
躓きそうでなりません。
お待なさいよ。ちょっと鬼火を一つ傭いますから。
旨く燃え....
「五重塔」より 著者:幸田露伴
そりも喜悦に狂して平素には似ず、大げさに一つぽっくりと礼をばするや否や、飛石に蹴
躓きながら駈け出してわが家に帰り、帰ったと一言女房にも云わず、いきなりに雛形持ち....
「塵埃は語る」より 著者:小酒井不木
少ないのと、街灯の数が少ないために暗いのとで、たとい私が街上に横たわっていても、
躓きでもしないかぎりは、通行人が発見するに困難だったろうと思います。 とにかく....