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身
「身〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
身の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
る。父親は勿論こう云う少年を時々叱ったりしないことはない。が、稀《まれ》には彼自
身も少年のいることを忘れたように帽子屋《ぼうしや》の飾り窓などを眺めている。
....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
の占いは五十年来、一度も外れたことはないのですよ。何しろ私のはアグニの神が、御自
身御告げをなさるのですからね」 亜米利加人が帰ってしまうと、婆さんは次の間の戸....
「兄貴のような心持」より 著者:芥川竜之介
からもっと卑近な場合にしても、実生活上の問題を相談すると、誰よりも菊池がこっちの
身になって、いろ/\考をまとめてくれる。このこっちの
身になると云う事が、我々――....
「狂女」より 著者:秋田滋
た。まったく手がつけられない。で、この女はしょッちゅう寝かしっきりにされていて、
身のまわりのこととか、化粧の世話とか、敷蒲団を裏返すような時でもなければ、誰も彼....
「墓」より 著者:秋田滋
の裁きを受けることになった。検事は、かつてベルトランという一軍曹によって犯された
身の毛のよだつような行為を傍聴人の念頭にまざまざと想い起させて、頻りにその感情を....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
った。ドアを開けてみると借家人の某氏は、われと我が生命を断った拳銃を握ったまま全
身あけに染って打倒れていた。 某氏(五七)はかなり楽な生活をしていた人で、幸福....
「初雪」より 著者:秋田滋
! あたしは何て仕合わせなんだろう」 けれども彼女は、遠からず自分が死んでゆく
身であることを知らぬではなく、二度と再び春にめぐり遇えると思っているのでもなかっ....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
言うは異な事なれど、予は物覚えよく、一を聞て二三は知るほどなりしゆえ、伯父はなお
身を入れてこの子こそ穂垂という家の苗字を世に知らせ、またその生国としてこの地の名....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
子で、ミケルという世間には余り多くない名前であった。父のジェームスは鍛冶職人で、
身体も弱く、貧乏であったので、子供達には早くからそれぞれ自活の道を立てさせた。 ....
「寡婦」より 著者:秋田滋
水分がからだを包んでしまう。射手たちはこのひッきりなしに襲ってくる水攻めに絶えず
身をかがめ、犬も悲しげに尾を垂れて、肋骨のうえに毛をぺッたりくッつけていた。
身体....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
ばかりにしていた。彼女は、祖母の祖母がオランダのザールダムから持ってきた純金の装
身具をつけ、昔の粋な胸かざりをつけ、さらに男性の胸をときめかすような短いスカート....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
食べて露命をつなぎ、夜はまた夜で、寒さに悩みながら冷たい板の間で旅寐の夢をむすぶ
身となった。こうした苦労がつもり積って、夫婦はめっきり体が弱ってしまった。そうな....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
来ない殺戮の要求を満たすに足りない。われわれには人さえ殺す必要があるのだ。昔は人
身御供ということをして、この要求を満たしていた。だが、今では社会生活を営む必要上....
「夢の如く出現した彼」より 著者:青柳喜兵衛
んでも、彼でも、探偵小説にせずにはおかないと云った、熱と、力量は自分乍らも相当自
身があっただけに、探偵小説なるものを芸術的に、文学的に、グウとレベルを引上げたの....
「三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
込んでやりました。 「見ろ、こうしたものあ、落ってるんだてば。」 と伊作は、少し
身体を退けて、太郎右衛門にも見せました。 「ははあ! これあ、奇体な話でねいか!....