身を以て[語句情報] » 身を以て

「身を以て〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

身を以ての前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
二つの手紙」より 著者:芥川竜之介
は恐らく、一般世人と同様、私のこの計画を冷笑なさる事でしょう。しかし一警察署長の身を以て、超自然的なる一切を否定するのは、恥ずべき事ではございますまいか。 閣....
青春の逆説」より 著者:織田作之助
、佐古の眼に余った。 佐古は豹一と多鶴子の「特別の関係」に就いては、この間の晩身を以て知っていただけに、やきの廻ることおびただしかった。豹一に弱点を掴まれてい....
最終戦争論」より 著者:石原莞爾
行遊ばされたのである。釈尊が、正法を護ることは単なる理論の争いでは不可能であり、身を以て、武器を執って当らねばならぬと説いているのは、人類の本性に徹した教えと言....
共軛回転弾」より 著者:海野十三
“ワシントン、一夜のうちに崩壊す――白堊館最初に犠牲となる。危機一髪、ル大統領、身を以て遁れる。崩壊事件の真相全く不明” “ワシントン崩壊事件の原因は、不可視怪....
妖僧記」より 著者:泉鏡花
らかに言棄てて、疾風土を捲いて起ると覚しく、恐る恐る首を擡げあぐれば、蝦蟇法師は身を以て隕すが如く下り行き、靄に隠れて失せたりけり。 やれやれ生命を拾いたりと....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
ぎた。その平康のなかからまた新たな性慾の経験がはじまって、かれは忘れ得ぬ苦しみを身を以て苦しみぬいた。かれはここに至って、その回想が一倍の冷静さを要求することを....
石塀幽霊」より 著者:大阪圭吉
、至極不可解きわまる奇怪な事件が持ちあがった。そしてふとしたことから雄太郎君は、身を以てその渦中に巻きこまれてしまったのだ。 それは蒸しかえるような真夏の或る....
俳優倫理」より 著者:岸田国士
向なのです。いい換えると、俳優とはすべての人間が本能的に夢想している一つの行動を身を以て行ってみせ、それが現実の仮感に訴える、そういう職業なのです。 この定義....
秋の筑波山」より 著者:大町桂月
光彩を添へぬ。然るに、殿下今や亡し。測候所は文部省が引継げりと聞く。金枝玉葉の御身を以て、斯かる山上に測候所を設立し給ひし御志の程、世にも尊く仰がるゝ哉。殿下御....
二・二六事件に就て」より 著者:河合栄治郎
が或は起こりうることを予知したのであろう、而も彼等は来らんとする死に直面しつつ、身を以てファッシズムの潮流を阻止せんとしたのである。筆者は之等の人々を個人的に知....
瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
。若し幕府にして戦端を開かば、その底止するところ何の辺に在るべき。これ勝伯が一|身を以て万死の途に馳駆し、その危局を拾収し、維新の大業を完成せしむるに余力を剰さ....
八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
の図書館に遺存してこの文豪の悲痛な消息を物語っておる。扇谷定正が水軍全滅し僅かに身を以て遁れてもなお陸上で追い詰められ、漸く助友に助けられて河鯉へ落ち行く条にて....
中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
手ばなしで媚びるのである。俊成の感性が『古今集』の声調に親近を直覚したのは、彼が身を以て詩客であったからのことである。そして、俊成の声が時代を率いることのできた....
純情主義を想う」より 著者:小川未明
して、彼等と共に、苦楽を分った。彼等の生活が正しいばかりでなく、愛するためには、身を以て殉ぜんとしたところに、真実さがなければならぬ。一人、一人の魂に触れるとい....
俗臭」より 著者:織田作之助
そんなことがあったのだ。が、伝三郎は今はその意見を撤回している。あれは権右衛門が身を以て贅沢するなと教えてくれたのであると思う様にしているのだ。近頃彼は何かにつ....