身を沈める[語句情報] » 身を沈める

「身を沈める〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

身を沈めるの前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
越前屋へ出してやった亭主の藤吉が、どうして再び江戸川の方角へ迷って行って、そこに身を沈めるようになったのか。ゆうべ死んだというのは、為さんでなくて藤吉であったの....
眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
、生きておらぬ。咽喉笛鉄砲じゃ、鎌腹じゃ、奈良井川の淵を知らぬか。……桔梗ヶ池へ身を沈める……こ、こ、この婆め、沙汰の限りな、桔梗ヶ池へ沈めますものか、身投げを....
雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
たのを見ると、スッと、横にはずして、うしろを田圃に、もう一人の敵を用心しながら、身を沈めるように、懐剣をぴたりとつけた。 彼はいつも一松斎道場で、平馬が、この....
骸骨の黒穂」より 著者:夢野久作
しかし……」 と云ううちに署長は何やら考え込んだ。いつもの癖で、椅子の中に深く身を沈めると、中禿の頭を撫で上げながら、自慢の長い鬚を自烈度そうにヒネリ上げヒネ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
蔵と共に仇討に発足したが、兄は中仙道の板橋で返り討ちになってしまい、自分はここへ身を沈めるようになったのだが、今、あなたと一緒に来た高野弥兵衛というのに附纏《つ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
草葉の上と思へども、義理にしがらむこの世から、刃《やいば》でも死なれぬ故、淵川へ身を沈めるがせめても言訳《いひわけ》、あとに残せしわが書置、さぞ今頃は女房が……....
肌色の月」より 著者:久生十蘭
煖炉を焚しつけ、浴槽に放りこんでおいた濡れものを椅子の背に掛けならべると、今夜、身を沈めるはずの自殺の場を見ておこうと思って、二階の大池の寝室へ上って行った。 ....
」より 著者:岡本かの子
。 女決心した思い入れあって ――ええ、よろしゅうございます。夫のためには遊里へ身を沈める慣いさえございます。 ――無理を聞き入れて貰って何より頂上。では早速、....
私本太平記」より 著者:吉川英治
は、落涙した。なんども、高時の床几を拝して、 「かたじけのう存じまする」 と、身を沈める。 その手をとって、高時は抱くように、彼を床几へかけさせた。 「赤橋....