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「身代金〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

身代金の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
られた形であった。 北の芸者小勝の親から『井上さんは将来見込みのある人だから、身代金は手形でもかまわない。娘をもらってほしい』という奇妙な申し出を受けたのもこ....
三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
結束して沼南に迫った。その結果が沼南のイツモ逆さに振って見せる蟇口から社を売った身代金の幾分を吐出して目出たく無事に落着したそうだ。そうかと思うと一方には、代が....
和製椿姫」より 著者:大倉燁子
な奴ではありますまい。どうせ目的は分っていますよ。見ていらっしゃい。いまに莫大な身代金請求をよこすから――警察の手にかければ直ちに解決されましょうが、それでは世....
」より 著者:岡本かの子
お侍さまと見込んで、お情に縋ります。どうか、その男狐を七蔵がところへ行き、十両の身代金をお払い下さいまして、籠からお放ち下さいませ。 ――十金か、こりゃ大金だ。....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
争が続いた。キャデイズ市から数名の財産家が人質として拉致されてきていたが、彼らの身代金は自分のポケットに収めることにすると、女王は宣言した。それでは兵隊たちの行....
現代忍術伝」より 著者:坂口安吾
。実は社長に後事を託されまして、命によって伺いましたが、天草商事も左前の様子で、身代金がととのわず、社長も間に立って困却しております」 「イヤ、それはイカン。身....
根岸お行の松 因果塚の由来」より 著者:三遊亭円朝
れました。お部屋では利分のつくことでございますから、二つ返事で承知いたし、花里の身代金三百五十円にて相談が極りました。これが昔でございますと、当人が何《なん》と....
かもじの美術家」より 著者:神西清
が、日ごろの寵愛に免じて、今度だけは特に寛大な処置をしてとらせる。わしはお前を、身代金なしで明日兵隊に出してやる。しかもお前が、れっきとした伯爵でもあり士族でも....
はつ恋」より 著者:神西清
。イヴェールスキイ門からやって来た小役人の膝から、こっそり帽子を取ってきて、その身代金としてカザーク踊りをおどらせたり、老僕ヴォニファーチイに女の室内帽をかぶせ....
黒点」より 著者:豊島与志雄
内々知人の間に、日歩の金なんかを廻していた。それもごく僅かな額で兄の慰藉料や姉の身代金などから差引いたものらしかった。さんざん借金に苦しんできたので、自分でもそ....
知識と政治との遊離」より 著者:中井正一
の例にみる如く、政治への熱情やみがたく、革命運動に参画し失敗、奴隷に売られ、その身代金の余分でアカデメイアという彼の学園をつくって、完全に政治より遊離して、理想....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
の婚礼を附け込んで企《たく》んだ仕事だから、向うへも手が廻っている。結局ドチラも身代金《みのしろきん》、下手《へた》に出ると今いう通り両方の財産を振われてしまう....
撥陵遠征隊」より 著者:服部之総
キンス。金方。 目的は、朝鮮某王陵を発掘して宝物と遺骸を奪い、これにたいする身代金を要求するにあったというのである。 米国総領事セワードはやむなくジェンキ....
チャアリイは何処にいる」より 著者:牧逸馬
うかい》者のほうから、なんらかの方法でなんとか言ってくるだろう。そうしたら、あと身代金《みのしろきん》の額の問題と、交換の場所方法などに関する交渉だけだ。いわば....
わが寄席青春録」より 著者:正岡容
えたいとは思うからである。もちろん、こんな精神的悲運の連続だったから私に二千円の身代金のオイソレとできようわけもなく私はひたすら日夜を焦燥悶々し続けてばかりいた....