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身体
「身体〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
身体の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「私の父と母」より 著者:有島武郎
いへん弱い子で、これで育つだろうかと心配されたそうだが、私が知ってからは強壮で、
身体こそ小さかったが、精力の強い、仕事の能《よ》く続けてできる体格であった。仕事....
「星座」より 著者:有島武郎
だだ広い汚ない家の中には自分一人だけが残っているのだなとつくづく思った。
ふと
身体じゅうを内部から軽く蒸《む》すような熱感が萌《きざ》してきた。この熱感はいつ....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
とは一般に周知のことであって既にアリストテレスが、太陽太陰の合に際して生れた者の
身体は虚弱だと言っているのみならず、経験のある産婆や母親は、こういう場合に子供が....
「かんかん虫」より 著者:有島武郎
角私が一週間前此処に来てからの知合いである。彼の名はヤコフ・イリイッチと云って、
身体の出来が人竝外れて大きい、容貌は謂わばカザン寺院の縁日で売る火難盗賊除けのペ....
「橋」より 著者:池谷信三郎
が、生前、自分の夫が愛情を感ずるあらゆる女性に対して懐いていた憎悪の感情が、私の
身体の中に、蒼白い潜在意識となって潜んでいて、それがまだあどけない私の瞳の底に、....
「一利己主義者と友人との対話」より 著者:石川啄木
るってのも余り有難いことじゃないね。 B それはそうさ。しかしそれは仕方がない。
身体一つならどうでも可いが、机もあるし本もある。あんな荷物をどっさり持って、毎日....
「夏目先生と滝田さん」より 著者:芥川竜之介
円か千五百円分を買ったことがあるそうです。まあすべてがその調子でした。震災以来は
身体の弱い為もあったでしょうが蒐集癖は大分薄らいだようです。最後に会ったのはたし....
「母を尋ねて三千里」より 著者:アミーチスエドモンド・デ
って毎日泣いていました。 月日は早くもたって一年はすぎました。母親の方からは、
身体の工合が少しよくないというみじかい手紙がきたきり、何のたよりもなくなってしま....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
の眼光をもって打眺め、「そも御身は何処の者にて姓名は何と言わるる」と言い言いなお
身体容貌を眺め下したり。「何のために宿所姓名を問いたもうか、通り少きこの橋上月を....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
子で、ミケルという世間には余り多くない名前であった。父のジェームスは鍛冶職人で、
身体も弱く、貧乏であったので、子供達には早くからそれぞれ自活の道を立てさせた。 ....
「寡婦」より 著者:秋田滋
えず身をかがめ、犬も悲しげに尾を垂れて、肋骨のうえに毛をぺッたりくッつけていた。
身体にぴッたり合った年わかい女の猟人たちの羅紗服には雨が透っていた。彼らはこうし....
「私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
レースを漕ぐ姿のまま大隈侯にお目にかかった。大隈侯はその時私の体をたたいて『いい
身体だなあ』といわれたことが今でも印象に残っている。 三、震災→監獄→島流し ....
「大利根の大物釣」より 著者:石井研堂
、 『旦那|如何です。此の潮の好い処を、早くお行りになりませんか。』と励ませども
身体は尚少しも動かず、『そうだね』と力無き返事せるのみにて、気乗りせず、尚悔恨の....
「三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
込んでやりました。 「見ろ、こうしたものあ、落ってるんだてば。」 と伊作は、少し
身体を退けて、太郎右衛門にも見せました。 「ははあ! これあ、奇体な話でねいか!....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
玄関」という感じを打ち込まなければ措かないものだった。僕は半裸体の工夫が一人汗に
身体を輝かせながら、シャベルを動かしているのを見、本所全体もこの工夫のように烈し....