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「身寄〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

身寄の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
手錠を自分で磨くのだからこれ以上の皮肉はない。約一ヵ月のち釈放されたが、出迎人は身寄りや友人ではなく早稲田警察の特高であった。仕方なく早稲田警察に行くと『田舎へ....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
て知らせてはないんですから、構いはしないようなものの、血は遠くってもたった一人の身寄だし……家は多人数で、他のものはどう思おうとも、従姉だけは、故郷へ帰れば、き....
私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
の男、阪大佐太郎は、新潟県の生まれであった。 先年、妻を連れて新潟県まで行き、身寄りの人でもいればお礼の一つでも――と思ったが、どうやら阪大佐太郎は偽名だった....
振動魔」より 著者:海野十三
来る日来る夜を、寂滅と長恨とに、止め度もない泪を絞らねばならなかったことだった。身寄りのすくない呉子さんに、何くれとなく力添えをすることの出来るのは、僕一人だっ....
死剣と生縄」より 著者:江見水蔭
で気に懸って相成らぬ。それは恩師秋岡陣風斎先生が瀕死の重態。されば先生には誰一人身寄りが無い。看病する者が居らぬ筈。孤独の御生活、殊に偏屈という御性癖で、弟子と....
あやつり裁判」より 著者:大阪圭吉
れに、気の毒なことには、その洗濯屋はなんでも四国の生れとかで、小さな時から一人も身寄りってものがないんです。店の親方も、そんなことで警察へ引っぱられてからは、ま....
花束の虫」より 著者:大阪圭吉
しい劇団の出資者で、大月と同じ大学を卒えた齢若い資産家であるが、不幸にして一人の身寄をも持たなかった代りに、以前|飯田橋舞踏場でダンサーをしていたと言う美しい比....
食魔」より 著者:岡本かの子
母さんにしなさい。」 病友は死んだ。店の旧取引先か遊び仲間の知友以外に京都には身寄りらしいものは一人も無かった。東京の伯母なるものに問合すと、年老いてることで....
魚妖」より 著者:岡本綺堂
れは夏のみじか夜の明けるを待ちかねて、養家のうなぎ屋を無断で出奔した。 上総に身寄りの者があるので、吉次郎はまずそこへたどり着いて、当分は忍んでいる事にした。....
心中浪華の春雨」より 著者:岡本綺堂
晒《さら》したのであった。 三日の後に六三郎の死骸は親方に引き渡された。お園は身寄りもないので主人に引き渡された。 お園と六三郎とが心中した日に、神崎では御....
」より 著者:岡本綺堂
娘かえ、孫かえ。」 「いえ……。」と、毛皮売の男はあいまいに答えた。 「おまえの身寄りじゃあないのかえ。」と、七兵衛はまた訊いた。 「はい。」 七兵衛は無言で....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
嫂《あね》でございます」と、彼女は眼をしばたたいていた。「徳蔵もほかにこれという身寄りも無し、あれ一人をたよりにしていたのでございます」 「かえすがえすも飛んだ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
うか。見かけは若々しい人でございました」と、五兵衛は答えた。 「独り者で、ほかに身寄りらしい者もないんですね」 「自分は孤児で、天にも地にもまったくの独り者だと....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
の小娘は藤江といって、これもなかなか容貌がいいんですけれど、行者のほんとうの妹か身寄りの者か、そこはよく判らないそうです。台所働きはお由とお庄というんですが、こ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
前に江戸へ帰ったそうです」 半七は胸算で日数をかぞえた。そして、江戸には勝蔵の身寄りか友達でもあるのかと訊くと、かれは江戸の深川に寅吉という友達がある。さしあ....