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身悶え
「身悶え〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
身悶えの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
にでもかかった狐のように、牙ばかりむき出して、まだ未練らしく喘《あえ》ぎながら、
身悶えしていたそうでございます。
するとこれを御覧になった若殿様は、欠伸《あく....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
、直ぐに台所から居間を突切って、取次ぎに出る手廻しの、襷を外すのが膚を脱ぐような
身悶えで、 「真砂町の、」 「や、先生か。」 真砂町と聞いただけで、主税は素直....
「棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
を抜いてください」 女は両眼をクワッと開いて、彼の方に、動物園の膃肭臍のように
身悶えした。眉を青々と剃りおとした女の眼は、提灯のように大きかった。 杜は、こ....
「売色鴨南蛮」より 著者:泉鏡花
うッ、うッ、えへッへッへッ。」 と横のめりに平四郎、煙管の雁首で脾腹を突いて、
身悶えして、 「くッ、苦しい……うッ、うッ、うッふふふ、チ、うッ、うううう苦しい....
「わがまま」より 著者:伊藤野枝
。 登志子やまき子が帰っていく所は停車場から三里余りもあった。途中でも彼女は、
身悶えしたいほど不快な遣り場のないおびえたような気持ちに悩まされ続けた。自分のそ....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
れもせず……お稲の玉なす胸に留まって、たちまち隠れた。 美しい女は筵に爪立って
身悶えしつつ、 「お稲さんは、お稲さんは、これからどうなるんです、どうなるんです....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
して可いか、途方にくれてくるくる廻った。 お道さんが、さんばら髪に肩を振って、
身悶えすると、消えかかった松明が赫と燃えて、あれあれ、女の身の丈に、めらめらと空....
「菎蒻本」より 著者:泉鏡花
だ目は、昼遊びにさえ、その燈に眩しいので。 手足の指を我と折って、頭髪を掴んで
身悶えしても、婦は寝るのに蝋燭を消しません。度かさなるに従って、数を増し、燈を殖....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
に、うろついている心地がするので、たださえ心臓の苦しいのが、悪酔に嘔気がついた。
身悶えをすれば吐きそうだから、引返して階下へ抜けるのさえむずかしい。 突俯して....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
もあろう、品の可い、目の赤いのが、朦朧と踞んだ手から、蜘蛛の囲かと見る糸｜一条。
身悶えして引切ると、袖は針を外れたが、さらさらと髪が揺れ乱れた。 その黒髪の船....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
のがある。止せ、と退る、遣着けろ、と出る、ざまあ見ろ、と笑うやら、痛え、といって
身悶えするやら、一斉に皆うようよ。有触れた銀流し、汚い親仁なら何事もあるまい、い....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
んで、膝がっくり。 ヤ、ヤ、このまんまで、窮いては山車人形の土用干――堪らんと
身悶えして、何のこれ、若衆でさえ、婦人の姿を見るまでは、向顱巻が弛まなんだに、い....
「多神教」より 著者:泉鏡花
うのじゃ。……汚れておろうかの。 後見 この婦なら、きれいでがすべい。 お沢 （
身悶えしながら）堪忍して下さいまし、堪忍して下さいまし、そればかりは、そればかり....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
腕は逆に、半身｜捻れたと思うと二人の者に引立てられて、風に柳の靡くよう、横ざまに
身悶えした、お夏はさも口惜しげに唇を歪めたが、眦をきりりと上げて、 「私を、……....
「宝永噴火」より 著者:岡本かの子
も、饑え渇ける異形のものとしか見えなかった。彼は独居の部屋に閉じ籠り、頭を抱えて
身悶えして呻吟くより外なかった。それでいながら経巻や仏像の影を見ることには前より....