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身持
「身持〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
身持の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「二人小町」より 著者:芥川竜之介
小町 小野の小町の代りに! それはまた一体どうしたんです?
使 あの人は今|
身持《みも》ちだそうです。深草《ふかくさ》の少将《しょうしょう》の胤《たね》とか....
「鳥辺山心中」より 著者:岡本綺堂
あった。しかし今夜のような出来事は、これには当て嵌《はま》らなかった。上洛の間は
身持ちをつつしみ、都の人に笑わるるなと、江戸を発つ時に支配頭から厳しく申渡されて....
「野菊の墓」より 著者:伊藤左千夫
れど、民子の心持がほんとうの承知でないから、向うでもいくらかいや気になり、民子は
身持になったが、六月《むつき》でおりてしまった。跡の肥立ちが非常に悪くついに六月....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
、兄の遺骨をたずさえて江戸を出発した。 関係者の梶井と高島とは、遊里に立入って
身持よろしからずというのでお叱りを受けた。殊に当夜刃傷のみぎり、相手の神崎を取り....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
るので、まったく困るとこぼし抜いていた。娘といってもことし三十七で、若いときから
身持が悪くて方々のだるま茶屋などを流れ渡っていたので、重い瘡毒にかかっている。そ....
「棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
にこの世ながらの地獄の一つだと、杜は感じたことである。 あの血痕を、それから自
身持参して検事局を訪ねようかと思わぬでもなかったけれど、一日経ち二日経ち、彼は遂....
「かの女の朝」より 著者:岡本かの子
ないのだ。朝の空気を吸う唇に紅は付けないと言い切って居るその唇は、四十前後の体を
身持ちよく保って居る健康な女の唇の紅さだ。荒い銘仙絣の単衣を短かく着て帯の結びば....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
も。」 「私にも。」 「うるさいね、いまちょいと出懸けるんだから。」 「いえ、お
身持で夜あるきを遊ばすのはお毒でございます。それはお出し申されません。ねえ?」 ....
「元禄時代小説第一巻「本朝二十不孝」ぬきほ(言文一致訳)」より 著者:井原西鶴
でしまった。一体女と云うものは一生たよるべき男は一人ほかないはずだのに其の自分の
身持がわるいので出されて又、後夫を求める様になっては女も終である。人と云う人の娘....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
帰ることになって、相当の金を渡して別れたんですが、小鉄のおふくろというのはあまり
身持のよろしくない女で、二、三年のうちにその金を煙にしてしまって、小鉄が小学校を....
「恨みの蠑螺」より 著者:岡本綺堂
であった。船宿などに奉公する女であるから、どこか小粋でありながら、下卑ていない。
身持もよくて、これまでに浮いた噂もないという。それらの条件に合格したのが、お安の....
「豆腐買い」より 著者:岡本かの子
さんだった。いまは瘠せてしまって心配そうな太い静脈が額に絡み合っている。亭主の不
身持か、世帯の苦労か、産後からひき起した不健康か。一番大きな原因に思えそうなのは....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
のかね。」 「大掃除の時の車夫のお銚子ですから。――この方は、あの、雲助も同然の
身持だけれど……先生の可愛い弟子です。」 かねて、切れた眦が屹として、 「間違....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
だって目上の親方ばかりでさ、大概神妙にしていたって、得て難癖が附こうてえ処でその
身持じゃあ、三日と置く気遣はありやしません。もっとも三日なんて置こうものなら、は....
「宝永噴火」より 著者:岡本かの子
の判らぬ心理の関係にある、その境地から逃れよう為もあったが、僧でもなく俗でもない
身持で、風雅に対してだけ快楽を求める生活が、俄に不安を増して来たからだった。それ....