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身請け
「身請け〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
身請けの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
も借金と云ったところで知れたものですから、わたくしが口を利いて、甲州屋の方は親許
身請けと云うことにして、お若のからだを抜いてやりましたよ」 「めでたく徳次郎と夫....
「籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
う》けができるものならば、いっそそうした方が無事かも知れないと考えた。 「花魁の
身請けは幾らぐらいかかるだろうね」と、彼は試みに亭主に訊いた。 亭主も首をひね....
「箕輪心中」より 著者:岡本綺堂
じた。おさない時に死に別れた父母のことも思い出された。十九の歳に芝のあきんどから
身請けの相談があったが、抱え主は金で折り合わず、自分も気に入らないので断わったが....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
右門は女が清吉という名をきいて、胸をはずませながらとぶように駆けつけた事実から、
身請けの主の絹商人とは同腹でないことをまず知りましたので、それならばと思いながら....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
すよ」 「なに! 女郎上がり! どうしていっしょになったか知らぬか。あのおやじが
身請けでもしたか!」 「さあ、どうでござんすかね。両国の河岸《かし》っぷちに見せ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
で勤め奉公をしていた者で、かの石原の松蔵の情婦であった。土地の大尽を踏み台にして
身請けをされて、そこから松蔵のところへ逃げ込んで、小一年も一緒に仲よく暮らしてい....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
も江戸の四谷と甲州街道の調布ではその通い路が隔たり過ぎているので、二人のあいだに
身請けの相談が始まった。 こうなると親にも打ち明けなければならないので、お国は....
「愚人の毒」より 著者:小酒井不木
のためにかなりの金額を支出してやりました。しかし昨年の春、保一くんが某所の遊女を
身請けしようとしたときには、長男の手前もあったであろうが徹底的に怒って、昔のいわ....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
けい。比翼塚建てましょうにと、嘆いておったほど物分りのよいおやじ様じゃ。めでたく
身請けが出来たら、また好物の菓子折など届けろよ。念のためじゃ、七五郎達送り届けい....
「田舎教師」より 著者:田山花袋
いっしょになることができないのは初めからわかりきったことである。この女がある人に
身請けされるなり、年季が満ちて故郷に帰ることができるなりするのをむしろ女のために....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
同じく西村新三郎は歌扇事かね二十歳という娼妓を買いなじみ、たきは夫婦約束、かねは
身請けされて親元に在《い》たところ、十二年十月男二人とも出立に付き、たき惣之助を....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
行くかも知れぬという怖《おそ》れもあるのじゃな。ともかくも傾城《けいせい》一人を
身請けするというからには、相当の金がいるはずである、よほど遊んだ金を持っている奴....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
った。そのうち吉原の娼妓の一人と相愛の仲となって結婚しようと堅い約束をむすんだが
身請けの金がない。当時は実母のお清も健在だから、何十年はたらいても三百円という大....
「紅白縮緬組」より 著者:国枝史郎
の君に止どめたり。新町にかくれなき、加賀屋の名とりの浦里の君さまを、初めてこれを
身請けする。深川にかくれなき黒江町に殿を建て、目算御殿となぞらえて、附き添う幇間....
「雨」より 著者:織田作之助
松島や芝居裏の遊廓を遊びまわり、深馴染みの妓も出来て、死んだ女房の後釜に、女郎を
身請けするだろうと噂されていた。そんな事をされたら、うちの娘たちの縁談に傷がつく....