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「身近い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

身近いの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
昔の火事」より 著者:宮本百合子
本のように古びて動かない遠方において感ぜられていた全体のことに、火事という活々と身近い出来ごとが、ここにもあったときくと、俄にはっきりとした生活の息吹が通って来....
備忘録」より 著者:寺田寅彦
ある。 雑記帳の終わりのページに書き止めてある心覚えの過去帳をあけて見るとごく身近いものだけでも、故人となったものがもう十余人になる。そのうちで半分は自分より....
連句雑俎」より 著者:寺田寅彦
また中には形式においてずっと変わった特徴の見られるものも少なくはない。たとえば、身近い人の臨終を題としたもので病中の状況から最期の光景、葬列、墓参というふうに事....
自由画稿」より 著者:寺田寅彦
、この金網のたった一つの目の中で進行した。 これといくらか似たことは自分自身や身近いものの些細《ささい》な不幸が日本全体の不幸のように思われ、自分の頭痛で地球....
こわれた鏡」より 著者:宮本百合子
ている。これは今日にあって言わば時代の良心であり、或る本能であり、更に最も平凡で身近い日常の諸相が、おのずから、私たちの今日の裡によびさましている平凡であるが故....
ジャンの物語」より 著者:宮本百合子
ばかりでなく私たちの心をうつものがあった。そして、それよりもっと生《き》のままの身近い現実として、今日の私たちの周囲には少年犯罪の増加の事実が世人の注意をひいて....
婦人と文学」より 著者:宮本百合子
之介、萩原朔太郎などの名もつらねられていた。窪川鶴次郎を通じて、『驢馬』は彼女に身近いものとなったのであった。十三の小さい女工は、それより前うちで『中央公論』や....
人民戦線への一歩」より 著者:宮本百合子
せるための人民戦線、民主戦線ということが、私たちの現実的で発展性ある方法として、身近いものとなりつつある。人民は、自分の全生活について自分たちで判断・配慮し、分....
行為の価値」より 著者:宮本百合子
れる人々に「英雄」が生きて苦しんでいたときの世話をゆだねたのなら、安心して、その身近い者であることを寧ろ誇れる時となって、死者をそのようにとりまくことは、妙に思....
便乗の図絵」より 著者:宮本百合子
街や村のまわりにも、何軒かは便乗景気のところもあって、何処やら努力のつぐのいは、身近いところにちらついていそうであった。しかし、小資本の企業がバタバタ整理され、....
行方不明の処女作」より 著者:宮本百合子
が、段々文字がよめ、文章を書くことに興味を覚えてから、音楽もすきだが文学はもっと身近いものとして感じられるようになって来た。そして、恐らくは誰でも一度経験するで....
嫉みの話」より 著者:折口信夫
して、女だから腹を立てるべきだのに、むしろ喜んでいる。つまり、自分のすべきことを身近い者が代わってしてくれるのだと考えた。夫婦関係を長く持続することは、迷惑だと....
雑記(Ⅰ)」より 著者:寺田寅彦
げた、手拭浴衣の襦袢を着た男が乗っていた。話の様子で察してみると、誰かこの老婆の身近い人が、川崎辺の病院にでもはいっていて、それが危篤にでも迫っているらしい。間....
貞操問答」より 著者:菊池寛
釈すると、何かいわれるまでは、立っていた。 「どうぞ、おかけ下さい。」と、夫人は身近い椅子を指ざした。新子は、卑屈にならない程度で、愛想ふかく、ほほ笑みながら、....
女心拾遺」より 著者:矢田津世子
も、その都度お相手を云いつかる。そんな座が重なるにつれて、老夫人は一そうおしもを身近いものに思うて、足の不自由なのを口実に、良人の世話をまかせるようになる。夜分....