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身過ぎ
「身過ぎ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
身過ぎの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「食魔」より 著者:岡本かの子
する課目は何くれとなく教えていた。時代後れとなって学校を退かされてもこれが却って
身過ぎの便りとなり、下町の娘たちを引受けて嫁入り前の躾をする私塾を開いていた。伯....
「白金之絵図」より 著者:泉鏡花
らしく歎息したので、成程、服装とても秋日和の遊びと見えぬ。この老人の用ありそうな
身過ぎのため、と見て取ると、半纏着は気を打って、悄気た顔をして、剥いて落した梨の....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
人の機嫌気づまを浮き立たせさえすれば、三度の御飯はいただける。その上一人や二人の
身過ぎ世過ぎは何の苦もないと、福松は、いよいよの際の芸が身を助ける強味をも算用に....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
御意《ぎょい》の通りにございます、しがねえ商売でございますが、これも意気地なしの
身過ぎ世過ぎ、致し方ぁございません」 「お前を叱っているのじゃないぞ、後学のため....
「四十八人目」より 著者:森田草平
あまあと思い返して、「そうか、主家を滅ぼした敵の片割れに縁のある家の仕事をして、
身過ぎをするのも時代時節、まあ何事も辛抱だね」と言っておいた。 その日宿へ帰っ....
「天狗外伝 斬られの仙太」より 著者:三好十郎
になったもんだ。フン、芸者だって?……そうかと思うと講武所芸者がいるわな。みんな
身過ぎ世過ぎの方便、でなきゃ見えさ。一皮ぬけばみんなオレガだ。中でもお士がオレガ....
「妾宅」より 著者:永井荷風
まり黙っていても悪いようなら議論のお相手もしよう。けれども要するに、それはみんな
身過ぎ世過ぎである。川竹の憂き身をかこつ哥沢《うたざわ》の糸より細き筆の命毛《い....
「斬られの仙太」より 著者:三好十郎
意になったもんだ。フン、芸者だって? そうかと思うと講武所芸者がいるわな。みんな
身過ぎ世過ぎの方便でなきゃあ見えさ。一皮ぬげばみんなオレガだ。中でも士がオレガの....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
逸をたのしむ心になれば、すぐにでも出来そうな気がするのだ。また、百石や二百石の、
身過ぎのための食禄をさがす気になれば、それも何処にでもあると考える。 けれど。....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
基の知識で、そこまで探り当てられると、ひどくあわてて。 「ただ今も申したような、
身過ぎ世過ぎの大道芸、山田申楽の端くれにも連なるほどな者ではございませぬ」 ま....