» 身震

「身震〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

身震の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
馬の脚」より 著者:芥川竜之介
関へ躍《おど》り出た。それからほんの一瞬間、玄関の先に佇《たたず》んでいた。が、身震《みぶる》いを一つすると、ちょうど馬の嘶《いなな》きに似た、気味の悪い声を残....
」より 著者:芥川竜之介
《りんてんき》のまわり出す度にちょうど小蒸汽《こじょうき》の船室のようにがたがた身震《みぶる》いをする二階である。まだ一高《いちこう》の生徒だった僕は寄宿舎の晩....
金将軍」より 著者:芥川竜之介
りに照らされた子供はまだ模糊《もこ》とした血塊《けっかい》だった。が、その血塊は身震《みぶる》いをすると、突然人間のように大声を挙げた。 「おのれ、もう三月《み....
十円札」より 著者:芥川竜之介
ために自己発展の機会を失うのは、――畜生、この論理は危険である! 保吉は突然|身震《みぶる》いをしながら、クッションの上に身を起した。今もまたトンネルを通り抜....
将軍」より 著者:芥川竜之介
がない。……」 ――ふと気がつけば彼の馬は、ずっと将軍に遅れていた。中佐は軽い身震《みぶるい》をすると、すぐに馬を急がせ出した。ちょうど当り出した薄日の光に、....
」より 著者:芥川竜之介
ゃん。きゃん。助けてくれえ! きゃあん。きゃあん。助けてくれえ!」 白は思わず身震《みぶる》いをしました。この声は白の心の中へ、あの恐ろしい黒の最後をもう一度....
三つのなぜ」より 著者:芥川竜之介
」 すると、か細い黒犬が一匹、どこからか書斎へはいって来た。のみならずその犬は身震いをすると、忽ち一人の騎士に変り、丁寧にファウストにお時宜をした。―― な....
藪の中」より 著者:芥川竜之介
覚《さと》りました。何とも云いようのない、――わたしはあの眼を思い出すと、今でも身震《みぶる》いが出ずにはいられません。口さえ一言《いちごん》も利《き》けない夫....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
が、これも化けた一つの欺で、俥まで拵えて、無事に帰してくれたんです。が、こちらが身震をするにつけて、立替の催促が烈しく来ます。金子は為替で無理算段で返しましたが....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
この茶碗を、一息に仰ぎ干すと、按摩が手を掛けたのと一緒であった。 がたがたと身震いしたが、面は幸に紅潮して、 「ああ、腸へ沁透る!」 「何かその、何事か存じ....
婦系図」より 著者:泉鏡花
下づたい 四十三 家の業でも、気の弱い婦であるから、外科室の方は身震いがすると云うので、是非なく行かぬ事になっているが、道子は、両親の注意――む....
海異記」より 著者:泉鏡花
のって弱い音さ出すのもあって、七転八倒するだでな、兄哥|真直に突立って、ぶるッと身震をさしっけえよ、突然素裸になっただね。」 「内の人が、」と声を出して、女房は....
海神別荘」より 著者:泉鏡花
郷の浦は……どこに。 女房 あれあすこに。(廻廊の燈籠を指す。) 美女 おお、(身震す)船の沈んだ浦が見える。(飜然と飛ぶ。……乱るる紅、炎のごとく、トンと床を....
貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
「喧嘩をしたかの。喧嘩とや。」 「この左の手を折られたでしゅ。」 とわなわなと身震いする。濡れた肩を絞って、雫の垂るのが、蓴菜に似た血のかたまりの、いまも流る....
茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
た衣は鱗の、膚の雪の、電光に真蒼なのが、滝をなす雨に打たれつつ、怪しき魚のように身震して跳ねたのを、追手が見つけて、医師のその家へかつぎ込んだ。間もなく枢という....