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「躯幹〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

躯幹の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
は無尽蔵である。……足と脛《はぎ》とは拍子の主調を明らかにし、かつ保つ役をする。躯幹《くかん》、肩、頸、首、腕、手、指は心的表現の道具である」(Albert M....
本州横断 癇癪徒歩旅行」より 著者:押川春浪
など、肝腎の出発隊より先に見送りに来ている。その内に未醒《みせい》画伯の巨大なる躯幹《くかん》がノッソリ現われると、間もなく吉岡将軍の髯面《ひげづら》がヌッと出....
三山居士」より 著者:夏目漱石
生死の間に迷うほどの心細い病み方をしていた時、池辺君は例《いつも》の通りの長大な躯幹《からだ》を東京から運んで来て、余の枕辺《まくらべ》に坐《すわ》った。そうし....
河明り」より 著者:岡本かの子
受けられない、黒光りや赫黒い顔をして眼を炯々と光らせながら、半裸体で働いている。躯幹は大きいが、みな痩せて背中まで肋骨が透けて見える。あわれに物凄い。またそれ等....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
を助けたことがあるでしょう」 金の箆 木八刺は西域の人で、字は西瑛、その躯幹が大きいので、長西瑛と綽名されていた。 彼はある日、その妻と共に食事をして....
惜別」より 著者:太宰治
生の講義は、骨学総論を終り、骨学各論にはいったばかりのところであったが、等身大の躯幹骨の標本を傍に置いて、まるでそれがご自分の肉親のお骨でもあるかのように実にな....
クリスマス・カロル」より 著者:ディケンズチャールズ
種の超自然的な媒介物を通じて見られるので、だんだん眼界から遠退いて行って、子供の躯幹にまで縮小された観を呈していると云ったような、そう云う老人に似ているのである....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
生の体躯《たいく》が、自分に比して長大であるところから、これを偉人と呼び、自分の躯幹が先生に比して遥かに小さいところから見て、小人と名附けたまでのことなのです。....
赤格子九郎右衛門」より 著者:国枝史郎
がった。足音を盗んで襖へ寄り、細目に開けて隙かして見た。 髪を若衆髷に取上げた躯幹の小造りの少年武士が彼の方へ横顔を見せ、部屋の真中に端然と坐わり、巧みな手並....
自警録」より 著者:新渡戸稲造
剥《おいは》ぎみたいな人物だ」 と評したという。これもさもあったであろう。氏は躯幹《くかん》長大にしてたくましく、色が黒かったそうであるから、外観を見ては、そ....
二人町奴」より 著者:国枝史郎
こで谷中の藤兵衛とも云う。彼は金魚組の頭領であった。そこで緋鯉の藤兵衛とも云う。躯幹長大色白く、凜々たる雄風しかも美男、水色縮緬の緋鯉の刺繍、寛活伊達の衣裳を着....
暗号舞踏人の謎」より 著者:ドイルアーサー・コナン
のであった。まず我々は第一に、この不幸な田園紳士の死体を検べた。彼のがっかりした躯幹は、室にさし渡しになって横たわっていた。着衣は大変乱れていたが、それはあるい....
地上」より 著者:島田清次郎
の血の気のない萎びた皮膚、青白い細い手足、肋骨の一本一本見えすく胴、五尺に足らぬ躯幹、それから、あはははは、南瓜のような頭――これほど揃いも揃って醜悪に作らなく....
バットクラス」より 著者:岡本かの子
術的手法に於てスワンソン邸のジョージアン式の骨董的建物の心臓に喰込み、その建物の躯幹を侮辱するような振舞いを新進室内装飾家G―氏に委嘱したスワンソン夫人にそれを....
長崎の鐘」より 著者:永井隆
、潰瘍性扁桃腺炎を惹起し、飲食不能となる。皮膚に点々小豆色の溢血斑を生ずる。初め躯幹、上膊にあらわれ、後には大腿に多発する。その大きさは止針頭大から米粒大ないし....