車外[語句情報] »
車外
「車外〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
車外の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「人造人間殺害事件」より 著者:海野十三
た」 なるほど、いつの間にか、十名ばかりの中国人や西洋人が一つの担架を守って、
車外にかたまっていた。だが彼等の誰もが、自動車の存在などに気がつかないかのように....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
路を追って目黒へ行くよう命ずることを忘れなかったのには感心した。 輪太郎は深く
車外に注意を払っていた。そのために、円タクに、もうすこしスピードを落すようにと命....
「空中墳墓」より 著者:海野十三
と思いの外、ヒラリと運転台につかまった。根賀地が横手の扉をいちはやく開いて身体を
車外にのり出すと怪漢は猶も二三発、撃ち出した。かまわずスピードを出そうとする運転....
「省線電車の射撃手」より 著者:海野十三
参考のために答えて貰いたいんだが、あの際、銃丸は車内で発射されたものか、それとも
車外から射ちこんだものか、何れであると思うかね、君は」 大江山警部が、少女の射....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
中へ自動車を入れろッ」 そう命令すると、大尉は座席の横から一|抱えもある鎖を、
車外に抛り出した。途端に、車体はぐぐッと曲った。そして、大きな水煙りをあげると、....
「地中魔」より 著者:海野十三
の中心を失った。 「うわーッ」 と叫び声を残すと、岩の身体は、もんどりうって、
車外へ飛び出した。 「ざまア見ろッ」 と子分があざ笑う、その鼻先へニューッとピ....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
た。所在なさそうに、今度は背中が当っていた後側の窓硝子に、眼を近々とすり寄せて、
車外を覗いてみる。 湖面を想像させる冷い硝子の発散気を透して、闇の遠くの正面に....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
りして来た。きょうの一行に加わって来た米国の兵士五、六人は、列車が停止するたびに
車外に飛び出して路ばたの草花などを折っている。気の早い連中には実際我慢が出来ない....
「火星兵団」より 著者:海野十三
毒になって、運転手の方をふり返った。
すると、運転手は車をとめるかと思いの外、
車外の警官をじっと睨みつけると、かえってスピードをあげて、たちまちオートバイを追....
「地底戦車の怪人」より 著者:海野十三
い」 それでも、展望鏡は、頭だけを少し出しているようであった。軍曹は、そこで、
車外に、赤外線灯をとぼした。そして、展望鏡でのぞいてみた。赤外線をあてて、展望鏡....
「革鞄の怪」より 著者:泉鏡花
た。中には、袴らしい風呂敷包を大な懐中に入れて、茶紬を着た親仁も居たが――揃って
車外の立合に会釈した、いずれも縁女を送って来た連中らしい。 「あのや、あ、ちょっ....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
は怒り、あるい罵り、あるいは呆れ、あるいは呪詛った。が、狼狽したのは一様である。
車外には御寮を迎の人数が満ちて、汽車は高崎に留まろうとしたのであるから…… 既....
「深見夫人の死」より 著者:岡本綺堂
車室へ引移れば済むことで、わざわざ下車するにも及ぶまいと思いながら、わたしは再び
車外へ眼をやると、若い兄妹の姿はもうそこらに見えないで、駅の前の大きい桜に油蝉が....
「西航日録」より 著者:井上円了
り。ゆえに余、一句をよみて、 汽車までが大国気取る露士亜かな 翌九日、早朝より
車外を望むに、四面一体に荒漠無限の平原にして、森林数里にわたり、その間往々麦田を....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
ル駅よりさらに汽車に駕し、午後五時半、チューリヒに着す。途上は比較的平坦にして、
車外ただ農田を見る。しかして、遠近に連山の起伏せるを望む。チューリヒは目下観光の....