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「車道〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

車道の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
二、三羽――十二、三羽」より 著者:泉鏡花
を掻分けても、物干に雪の溶けかかった処へ餌を見せても影を見せない。炎天、日盛の電車道には、焦げるような砂を浴びて、蟷螂の斧と言った強いのが普通だのに、これはどう....
去年」より 著者:伊藤左千夫
の人も少なくはない。どうしても俥が得られなく、自分は重い体を汗みじくに急いだ。電車道まで来てもまだ電車もない。往来の人はいずれも足早に右往左往している。 人が....
耽溺」より 著者:岩野泡鳴
に、まずもって僕の父に内通し、その上、血眼になってかけずりまわっていたかして、電車道を歩いていた時、子を抱いたまま、すんでのことで引き倒されかけた。 その上の....
深夜の市長」より 著者:海野十三
けるようなことになった奇怪きわまる事件に話を進めようと思う。 電車の見えない電車道に交叉して、右へ延びている二十二メートル道路があった。そこをゆけば、別の濠割....
ネオン横丁殺人事件」より 著者:海野十三
る四ツ角の、薄暗い光の下に、何者とも知れぬ人影がパッと映ったが、忽ち身を飜して電車道の横丁へ走りこんだ。その人影は帆村荘六の醒めきらぬ眼にハッキリした印象をのこ....
白妖」より 著者:大阪圭吉
はこの平均標高二千五百|呎の馬の背の尾根伝いに山地を買収して、近代的な明るい自動車道を切り開き、昔風に言えば関銭を取って自動車旅行者に明快雄大な風景を満喫させよ....
母子叙情」より 著者:岡本かの子
雲のように押し合って塊ったり、意味なく途切れたりしつつ、大体の上では、町並の側と車道の側との二流れに分れて、さらさらと擦れ違って行く。すると、それがいかにも歓び....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
三崎町の原 十一月の下旬の晴れた日に、所用あって神田の三崎町まで出かけた。電車道に面した町はしばしば往来しているが、奥の方へは震災以後一度も踏み込んだことが....
一坪館」より 著者:海野十三
って、なかなか売ってくれないよ」 「そうですか、困りますね」 電車の姿のない電車道の上を源一は車をすっとばして行った。やっぱり焼けているけれど、ぽつんぽつんと....
些細な事件」より 著者:井上紅梅
躓《つまず》いたのは白髪交りの一人の女で著物《きもの》はひどく破れていた。彼女は車道の隅から車の前を突然突切ろうとしたので、車夫はこれを避けたが、彼女の破れた袖....
伯林の落葉」より 著者:岡本かの子
動くように感じただけだった。彼は一たん森を出た。またほかの森に這入った。公園内の車道に出た。自転車をよけた。自動車をやり過ごした。絶えず落葉が散って来た。粉のよ....
雪柳」より 著者:泉鏡花
口惜いが愚痴に聞える。 ふけた事をいって、まず遊ばない算段をしながら、川添の電車道を、向う斜めの異な横町へ入って行く。…… いきなり曲角の看板に、三業組合と....
妖怪談」より 著者:井上円了
このような事実があります。どこでありましたか、よくは分かりませぬが、東京近傍の汽車道に狐が出まして、汽笛のまねをいたしました。車掌は前の方から汽車が来たものだと....
鉄の処女」より 著者:大倉燁子
聞くと私達は彼に別れた。 ともかく一応事務所へ帰ろうと思って、二人は足早やに電車道まで出て来ると、そこに一人の運転手風の男が、待ち受けてでもいたように、つかつ....
本所両国」より 著者:芥川竜之介
出、そこへ来合せた円タクに乗って柳島へ向うことにした。この吾妻橋から柳島へ至る電車道は前後に二、三度しか通った覚えはない。まして電車の通らない前には一度も通った....