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軌条
「軌条〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
軌条の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「汽笛」より 著者:佐左木俊郎
らねばならなかった。 「え。連れて行くつもりなんです」 貞吉は子供らしい動作で
軌条の上を歩き出した。足を踏み外さないようにと用心する動作は過去の記憶を蘇《よみ....
「空を飛ぶパラソル」より 著者:夢野久作
た。 女はもうその時に田の畦を渡りつくして、半町ばかり向うの線路に出ていたが、
軌条の横の狭い砂まじりの赤土道を、汽車の来る方向に、さり気なく、気取った風付きで....
「気狂い機関車」より 著者:大阪圭吉
のこの考え方を裏書してくれる確実な手掛りを御覧下さい」 司法主任はそう言って、
軌条と屍体との中間に当る路面に、懐中電燈の光を浴びせ掛けた。――成程、薄く積った....
「とむらい機関車」より 著者:大阪圭吉
る里程標と、それから枕木の四頭釘――これはカーブに於ける線路の匐進を防ぐために、
軌条に接して枕木の上へ止木を固定させる頑固な釘なんですが、その頭は、どの止木のそ....
「斜坑」より 著者:夢野久作
ャメチャに粉砕されていた筈であったという。 しかし元来、坑道に敷いてある炭車の
軌条は、非常に粗末な凸凹した物なので、連結機の鉄棒が折れたり外れたり、又は索条が....
「木魂」より 著者:夢野久作
汽車に轢かれそうな不吉な予感を、背中一面にゾクゾクと感じた。霜で真白になっている
軌条の左右をキョロキョロと見まわした。それから度の強い近眼鏡の視線を今一度自分の....
「原爆詩集」より 著者:峠三吉
るひろしまの灯 盛りあがった傷痕の ケロイドのつるつるの皮膚にひきつって 濡れた
軌条がぬたくり 臓物の臭う泥道に 焼け焦げた並木の樹幹からぶよぶよの芽が吹き 霖....
「臨時急行列車の紛失」より 著者:新青年編輯局
ヴィアランス炭坑引込線 なるが、この中ビッグ・ベン線は延長四分の一|哩に過ぎず、
軌条は発掘されたる石炭の山の辺にて尽き、途中に何ものをも見ず。次にカーンストック....
「金狼」より 著者:久生十蘭
地表がひろがっていて、そのうえを無数の鴎が舞っていた。 その男は製粉会社の古|
軌条《レール》置場の前で立ちどまると、ゴミゴミした左右の低い家並を見まわしながら....