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「軍艦〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

軍艦の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
十円札」より 著者:芥川竜之介
き出した。いつか曇天《どんてん》を崩《くず》した雨はかすかに青んだ海の上に何隻も軍艦を煙らせている。保吉は何かほっとしながら、二三人しか乗客のいないのを幸い、長....
点鬼簿」より 著者:芥川竜之介
の朝に余り苦しまずに死んで行った。死ぬ前には頭も狂ったと見え「あんなに旗を立てた軍艦が来た。みんな万歳を唱えろ」などと言った。僕は僕の父の葬式がどんなものだった....
一房の葡萄」より 著者:有島武郎
海岸の通りを通るのでした。通りの海添いに立って見ると、真青《まっさお》な海の上に軍艦だの商船だのが一ぱいならんでいて、煙突から煙の出ているのや、檣《ほばしら》か....
三つの窓」より 著者:芥川竜之介
六月にはいったばかりだった。軍港を囲んだ山々はどれも皆雨のために煙っていた。元来軍艦は碇泊したが最後、鼠の殖えなかったと云うためしはない。――××もまた同じこと....
最終戦争論」より 著者:石原莞爾
戦争にはならないのです。それ動員だ、輸送だなどと間ぬるいことではダメであります。軍艦のように太平洋をのろのろと十日も二十日もかかっては問題になりません。それかと....
政談十二社」より 著者:泉鏡花
戦争の時なんざ、はじめからしまいまで、昨日はどこそこの城が取れた、今日は可恐しい軍艦を沈めた、明日は雪の中で大戦がある、もっともこっちがたが勝じゃ喜びなさい、い....
寺内の奇人団」より 著者:淡島寒月
から父は瓢箪池の傍で万国一覧という覗眼鏡を拵えて見世物を開きました。眼鏡の覗口は軍艦の窓のようで、中には普仏戦争とか、グリーンランドの熊狩とか、そんな風な絵を沢....
諸国の玩具」より 著者:淡島寒月
オン三世が、ローマのバチカンに行く行列があったのを覚えています。その外廓は、こう軍艦の形にして、船の側の穴の処に眼鏡を填めたので、容堂公のを模して足らないのを駒....
雪霊続記」より 著者:泉鏡花
が、蜿々と蛍のように飛んで来ました。 真正面に、凹字形の大な建ものが、真白な大軍艦のように朦朧として顕れました。と見ると、怪し火は、何と、ツツツと尾を曳きつつ....
スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
話では、泥でつくった胸壁から、九ポンド弾の古い鉄の大砲をぶっぱなして、イギリスの軍艦をあやうく撃沈しかけたが、惜しくも彼の大砲が六発目には破裂してしまったという....
瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
外交家の手腕を見るべし。かくて事の漸く進むや外国奉行等は近海巡視など称し幕府の小軍艦に乗じて頻々公使の許に往復し、他の外国人の知ぬ間に約束成立して発表したるは、....
妖怪学一斑」より 著者:井上円了
して疫病が流行し、くだって敏達天皇の朝に至って、また疫病流行し、嘉永年間、米国の軍艦が渡来して彗星が現れたということがあります。これは、ひとり和漢のみならず、西....
西航日録」より 著者:井上円了
将急、黄竜何歳見晴空。 (上海の市街を一望して往時を思い感慨きわまりなく、英国の軍艦や露国の兵が西より来たり、東より来たる。中国大陸の風雲は日々に急を告げようと....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
うを聞きたれども、上陸せず。 三日(神武天皇祭)、雨終日やまず、かつ寒し。わが軍艦五隻入港す。 四日、晴れ。北風強くして冬のごとし。午後四時抜錨す。内海の風....
北海道に就いての印象」より 著者:有島武郎
たのを見た。彼は好奇心の余り、小樽港に碇泊している船について調べて見たが、一隻の軍艦もいないことを発見した。而してその不思議な光は北極光の余翳であるのを略々確め....