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転ずる
「転ずる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
転ずるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「将軍」より 著者:芥川竜之介
れ。」
将軍は彼の手を握った。それから堀尾《ほりお》一等卒へ、じろりとその眼を
転ずると、やはり右手をさし伸《の》べながら、もう一度同じ事を繰返《くりかえ》した....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
、雷鳴、お島婆さん、お敏、――そんな記憶をぼんやり辿りながら、新蔵はふと眼を傍へ
転ずると、思いがけなくそこの葭戸際《よしどぎわ》には、銀杏返《いちょうがえ》しの....
「或る女」より 著者:有島武郎
にらむように倉地を見た。
「正井のやつが来るそうじゃないか」
倉地はまた話題を
転ずるようにこういった。葉子がそうだとさえいえば、倉地は割合に平気で受けて「困っ....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
ら見れば仏軍があたかも火力をもって敵をいため、敵の勢力を消耗した好機に乗じ攻勢に
転ずるいわゆる「火力主義の攻勢防禦」を大規模にした形で最後の勝利を得たのである。....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
《まも》りたり。 かくて六箇《むつ》の車輪はあたかも同一《ひとつ》の軸にありて
転ずるごとく、両々相並びて福岡《ふくおか》というに着けり。ここに馬車の休憩所あり....
「山と雪の日記」より 著者:板倉勝宣
いた。そしてその頂上はここよりかなり下にある。ここから見ると可憐な山だ。さて目を
転ずる。前穂高、明神から右手に目をやると、蝶ガ岳、常念への峰が穂高の岩とくいちが....
「迷信解」より 著者:井上円了
昼夜回転して休まざるものなれば、東西南北の方位も、これとともに時々刻々その方向を
転ずる道理である。されば、方位を定めたくも定むることができぬに相違ない。しかるに....
「妖怪玄談」より 著者:井上円了
眠りに就くに当たり、針をもってその人の足の一端を刺激するときは、必ずその足を外に
転ずるも自ら識覚せざることあるは、「伊」の中枢に達して、いまだ「仁」の中枢に達せ....
「宝永噴火」より 著者:岡本かの子
くのである。自分の中の二つの争いには、ほとほと疲弊困憊した慧鶴青年は、何等か心を
転ずるものを求めようとすればそこに、土足で乳のみ児の上を踏み躙って来るような無残....
「深見夫人の死」より 著者:岡本綺堂
も帰って来ましょうから。」と、奥さんはなだめるように言った。そうして、その話題を
転ずるように、改めて私を彼に紹介したが、彼はやはり私を記憶していないらしかった。....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
通ずるものがある。呪いの言葉であって好かろうはずがない。」 単にこの句を舌頭に
転ずるには、彼に取って、本来余りにも複雑な意義を含む言葉である。鶴見はそこから俳....
「川中島合戦」より 著者:菊池寛
未だ一度も手詰の御合戦なし。此度是非とも、御一戦しかるべし」と云う。信玄、攻撃に
転ずるに決し、山本勘助、馬場民部に命じて、攻撃計画を立てさせた。 山本等の作戦....
「父帰る」より 著者:菊池寛
てくれる。お父さんに行かれた時はどうしようと思ったがのう……。 賢一郎 (話題を
転ずるために)新は大分遅いな。 母 宿直やけに、遅うなるんや。新は今月からま....
「若杉裁判長」より 著者:菊池寛
ます。一つは、非常に崇拝していた森田という同窓生が、急に文科志望を止めて、法科へ
転ずる決心をしたからです。なんでも、森田という人は、一年からずうっと文科の首席を....
「融和問題に関する歴史的考察」より 著者:喜田貞吉
したものではありませんでした。したがってそれから足を洗って、世間に交わり他の職に
転ずることも、そうむずかしくなかったに相違ありません。ことに戦国時代の如き乱世に....