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転位
「転位〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
転位の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「ロプ・ノールその他」より 著者:寺田寅彦
期で振り子のように南北に振動し変位し従って振り子の球に当たるロプ・ノールも南北に
転位するであろうと想像した。ところが、一九二七年にもう一度ヘディンが見に行ったと....
「ソヴェト映画物語」より 著者:宮本百合子
いると、 また、仕事のひまがなくて長い間小便をがまんしていると―― 「子宮」は
転位して婦人の不幸をもって来る。 だから、職業の性質と婦人の健康との関係を考え....
「再び科学的精神について」より 著者:戸坂潤
各領域の科学的精神の間には、それが根本的な文化の精神である限り、おのずから云わば
転位の可能な形式淘汰さえが可能であろう。で科学的精神とは、科学に就いても、科学の....
「奇怪な話」より 著者:豊島与志雄
りでなく、切りそがれたそれらのものが、愛する人の一部分から、他の不気味なものへと
転位する故にも依る。 * 切断された部分は、特殊な不気味さを持つが....
「少年文学私見」より 著者:豊島与志雄
童話に於ては凡て子供のものである。少年文学に於ては、凡て少年のものもしくは少年に
転位されたものであろう。 然るに、現在行われてる多くの少年小説とか少年読物とか....
「神話と青春との復活」より 著者:豊島与志雄
右の一事にある。文学者自身が私の所謂青春人で如何にあろうとも、文学は畢竟、現実の
転位の世界であるからして、また根深い伝統を持ってる世界であるからして、そこへ、革....
「文学に於ける構想力」より 著者:豊島与志雄
、勿論である。この真実は、事実という言葉で置換出来ないことが明示する通り、現実の
転位の場にあるのであり、現実の事実の面にあるのではない。 嘗て、文学の虚構とか....
「今日の条件」より 著者:豊島与志雄
の再現であろうとする企図が遂に失敗に終ることは、既に経験ずみである。文学は現実の
転位の世界に於ける営みであって、この営みでは、常に現実に対して何かがプラスされる....
「私の信条」より 著者:豊島与志雄
のである。固より、個々の素材は現実から得て来たものではあるが、それを文学の世界に
転位するに当って、自分の息吹きを可能なる限り通わせたいのである。それ故、何かのた....
「小説集「白塔の歌」後記」より 著者:豊島与志雄
的な境地はないものであろうか。現実の重圧があまりに大きすぎるとするならば、現実の
転位たる文学の世界に於て、その重圧を乗り越えて朗かに夢みる境地はないものであろう....
「魔都」より 著者:久生十蘭
いたような、判り易くいえば土方の棒頭ふうな磅※《ぼうはく》たる気宇を持ち、容易に
転位せぬ代りに、一旦意気に感じたらその者のためには真実水火も辞せぬというような無....
「冒した者」より 著者:三好十郎
だ恋人をフォビヤに追いこんだ実体、その父と母が前に立ちふさがっている。特に父親は
転位された君自身だ。君には恋人を殺したという意識がある。同時に彼女を殺したのは父....