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転住
「転住〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
転住の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「虞美人草」より 著者:夏目漱石
可被下《くださるべく》候《そうろう》。さて旧臘《きゅうろう》中一寸申上候東京表へ
転住の義、其後《そのご》色々の事情にて捗《はか》どりかね候所、此程に至り諸事好都....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
初横浜で保険金詐取の目的で放火をして、旨々と成功した。それに味をしめて、神田内に
転住した時に、再び放火を企てた。 彼は或る夕、書籍の手入をするように見せかけて....
「西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝」より 著者:三遊亭円朝
思い、怪しからん失敬な取扱いをしたが、それはまア宜しいが、君はまア図らざる所へ御
転住で」 丈「いや実にどうも暫くであった、どうしたかと思っていたが、七ヶ年以来何....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
って償却した。そののち大掃除をすると鼠の巣から見出した、浪人は償却しおわると直ぐ
転住して行衛《ゆくえ》知れず、家主一生悔恨したとあった。支那にも『輟耕録』十一に....
「岡ふぐ談」より 著者:佐藤垢石
質に飢えていた際であったから、素敵においしかった。 私は、昨年の三月故郷の村へ
転住してからというもの、一回も魚類や油類の配給を受けなかった。汽車の切符が買えな....
「食べもの」より 著者:佐藤垢石
菜に類した品はこの農村には全く配給がないと称してよろしいのである。 三月上旬に
転住してきて以来、ただ僅かに一回、一人当たり生鰊が半身とお茶の葉が少量だけ。ほか....
「わが童心」より 著者:佐藤垢石
二、三日前、紀州熊野の山奥に住む旧友から、久し振りに手紙がきた。 ――拝啓、承り候えば、貴下も今回、故郷上州へ
転住帰農遊ばされ候由、時節柄よき才覚と存じ上申候。 小生もここ熊野なる故郷の山....
「数学史の研究に就きて」より 著者:三上義夫
入れることが出来ないで、まことに心を苦しめた。その頃あたかも故ありて上総の大原へ
転住することとなり、そのままになったのであるが、どうしてもこの書に対する未練が棄....
「小説 円朝」より 著者:正岡容
なくなった。つづいて兄の玄正がなくなった。これは僧位進んで小石川極楽水の是照院へ
転住した。永年の思いがかなってひと安心したことが発病させたらしく、患いついてすぐ....
「斎藤緑雨」より 著者:内田魯庵
りあり現われておる。それから以後は全く疎縁になってしまった。 その後再び東京へ
転住したと聞いて、一度|人伝に聞いた浅草の七曲の住居を最寄へ行ったついでに尋ねた....
「西航日録」より 著者:井上円了
二百マイル、リーズ市近在バルレー村に転寓す。 二月十二日、英国北部バルレー村に
転住せし以来、もっぱら民間の風俗、習慣、教育、宗教の状態を視察し、大いに得るとこ....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
何もかも、ないものだらけでござります。ちょうど、あの……新世帯みたいに」 「流々
転住の舟住居。ここしばらくは、思いがけない、気楽な境界になったもの……」と弦之丞....
「早稲田神楽坂」より 著者:加能作次郎
あり、又どうやらこのまま永住の地になってしまうらしい。若し今後何等かの事情で他に
転住しなければならぬようなことがあるならば、私は恰も父祖伝来の墳墓の地を捨てて、....