転変[語句情報] » 転変

「転変〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

転変の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:芥川竜之介
いさいが》をかかげていた。僕はぼんやりそれらの画《え》を見比べ、今更のように有為転変《ういてんぺん》などと云う昔の言葉を思い出していた。 そこへ前後してはいっ....
或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
も、憐みこそすれ、憎いとは思っていない。人情の向背《こうはい》も、世故《せこ》の転変も、つぶさに味って来た彼の眼《まなこ》から見れば、彼等の変心の多くは、自然す....
冬の蠅」より 著者:梶井基次郎
女はあきらめたようすでいなくなってしまった。 私は静かな眠った港を前にしながら転変に富んだその夜を回想していた。三里はとっくに歩いたと思っているのにいくらして....
失楽園殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
草紙にある餓鬼の姿よりなき幹枝を見れば、ありし日の俤何処ぞやと嘆ずるのほかなく、転変の鉄鎖の冷たさは、夢幻まさに泡影の如しというべし。 ――ここにおいて、三月....
茶の本」より 著者:岡倉覚三
考えは茶室に連関して考えられ、これにある深い意味がしみこんで来た。禅は仏教の有為転変の説と精神が物質を支配すべきであるというその要求によって家をば身を入れるただ....
母子叙情」より 著者:岡本かの子
いう難航の世界、夫をそれに送りつけ、自分もその渦中に在る。つくづくその世界の有為転変を知るかの女は、世間の風聞にもはや動かされなくなっているにしても、しかし、そ....
応仁の乱」より 著者:菊池寛
あるべし」と、直言している。 此は相当皮肉な、同時に痛快な言葉でもあって、彼が転変極まりなき時代を明確に、且つ無作法に認識して居る事を示して居る。 宗全は更....
四条畷の戦」より 著者:菊池寛
か諸庭奉公人と成、或は軽軒香車の後に走り、或は青侍格勤の前に跪く。世の盛衰、時の転変、歎ずるに叶はぬ習とは知りながら、今の如くにして公家一統の天下ならば、諸国の....
二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
東京の中央で電灯の光を浴びて白粉の女と差向いになっていても、矢張り鴨の長明が有為転変を儚なみて浮世を観ずるような身構えをしておる。同じデカダンでも何処かサッパリ....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
年の部屋の窓までも聞こえてくる。この噴水が永遠不滅の霊魂であって、その周囲の有為転変にはいささかも気をとめずに絶えず歌っているもののように思われるのであった。す....
死者の書」より 著者:折口信夫
斜面に、万法蔵院の細々とした御灯の、煽られて居たのに目馴れた人たちは、この幸福な転変に、目を※って居るだろう。此郷に田荘を残して、奈良に数代住みついた豪族の主人....
我が人生観」より 著者:坂口安吾
代日本を象徴する一本の川が流れていた。曰く、飛鳥川である。 万葉の詩人は、有為転変の人の世を飛鳥川になぞらえて、昨日の淵は今日は瀬となる、と詠歎し、彼らの生活....
潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
光なり光線なりを背後に置いた場合、今度は陰画に化けてしまうのです。 その陰陽の転変……つまり、フォン・エッセンの金髪は黒髪に、唇の上や顎の尖りは、そのまま口髭....
註文帳」より 著者:泉鏡花
男の方は長州藩の若侍。 それが物変り星移りの、講釈のいいぐさじゃあないが、有為転変、芳原でめぐり合、という深い交情であったげな。 牛込見附で、仲間の乱暴者を....
中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
平穏な平安時代に、このような異変を可能ならしめるようになった、その見えざる世相の転変こそ、きわめて徐々にではあったが、公家の人心に無常を観ぜしめる、どうにもなら....