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転嫁
「転嫁〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
転嫁の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「チャンス」より 著者:太宰治
しいにも程があるというものだ。自分たちの助平の責任を、何もご存じない天の神さまに
転嫁しようとたくらむのだから、神さまだって唖然《あぜん》とせざるを得まい。まこと....
「失楽園殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
それが法水の口から、何時かな容易に洩れようとはしない。 「要するにこれは、犯罪を
転嫁しようという行為なのですが、飛去来器といい花火といい、十分理学的に計算出来る....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
情に於てしのびなかったのだ。それに、こんな大きな問題は、やはり責任を次長や部長に
転嫁して置く方が適わしいのではないか。両人とも良い迷惑だった。ことに編輯長のとぼ....
「単独行」より 著者:加藤文太郎
。もし真なりとせば、かくの如きことは絶対に避けなければならない。危険の責任を他に
転嫁するものなりと評されても仕方がない」などといわれるのではなかろうか。また案内....
「父帰る」より 著者:小林多喜二
があろうと、赤子を死なしてはならないと思った。 資本家は不景気の責任を労働者に
転嫁して、首切りをやる。それを安全にやるために、われ/\の前衛を牢獄につないで置....
「地獄の使者」より 著者:海野十三
テ殺害シタルヲ土井ガ自殺セシモノト欺瞞シ且ツ金六十五万円ノ会社金庫不足金ヲ土井ニ
転嫁シテ実ハ其ノ多クヲ着服ス、其後土井未亡人多計子ヲ色仕掛ヲ併用シテ籠絡シ土井家....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
って救心のむと、ほんとは中毒しないんだけど」 などゝ、中毒の原因がそッちの方へ
転嫁されている有様である。救心という薬は味も効能も仁丹ぐらいにしか思われてないが....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
、一番悪いことですよ。」 「なぜですの。」 「それは、貴女独りに、あらゆる負担を
転嫁することですもの。」 「だって、私が自発的にやるんですから、いいじゃありませ....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
ばするほど広告倒れとなって競争しずらくなる。 米国においても宣伝費は結局価格に
転嫁されて、それだけ高くなりはしないかとの疑問が出るのであろう。しかし米国は大国....
「二都物語」より 著者:佐々木直次郎
ね?」と、彼をじっと見つめながら、ロリー氏が言った。 この質問をドファルジュに
転嫁したがっているかのように、彼のやつれた眼はドファルジュの方に向いた。が、その....
「自信の無さ」より 著者:太宰治
いよいよ自信がなくなります。 私たちは、その原因をあれこれと指摘し、罪を社会に
転嫁するような事も致しません。私たちは、この世紀の姿を、この世紀のままで素直に肯....
「安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
制心と同時に、むろん性慾もあるし、甚しい好奇心もある。よき折あって、罪悪感を他に
転嫁し自制を失うことができるなら、という気持も必ずあるものだ。それには親に無実の....
「城」より 著者:カフカフランツ
とになるんですか。そんなことは――もしあなたがそんなふうにご自分の責任をわたしに
転嫁しようとされるのならば、ほんとうに極端な厚かましさというものでしょうよ。あな....
「三稜鏡」より 著者:佐左木俊郎
の胴体や腕や脚を、同じ場所に投げ込んだのである。多分、それは、犯罪の一切を、私に
転嫁しようとしたのであろう。併し、私がこうして生き残った上には、博士はどうしても....
「エタに対する圧迫の沿革」より 著者:喜田貞吉
とに武士から虫螻蛄の如くに扱われていた町人・百姓等は、さらにそれをエタに向かって
転嫁する。社会の階級観念はますます甚だしくなる。小天地にのみ圧窄せられたエタがい....